2023年6月から、大幅な電気代の値上げが行われました。

仕事を退職するなどして、在宅時間が比較的長くなってくる60歳代の家庭において、電気代の値上げは気になるニュースの1つですね。

今回は、どのくらい電気代が値上げされたのか、また、60歳代が貯蓄の中から上手に電気代を節約する方法を考えていきましょう。

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【6月から】電気料金の値上げへ

ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響で、世界的にエネルギーの価格が高騰しています。そのため、日本の大手電力会社において、2023年6月から電気代の価格改定が行われました。

価格改定とは、つまり値上げのことです。経済産業省の資源エネルギー庁の資料によると、電気代の値上げ幅は電力会社によって異なりますが、14%から42%と幅となっています。

出所:経済産業省 資源エネルギー庁「電気料金の改定について(2023年6月実施)」

ただし、実際のところ、2023年1月から政府によって電気料金の値引き支援が行われています。値引き支援は1kWhあたり7円で、標準的な家庭で月に2800円の値引きとなる計算です。

今回大幅な値上げが行われましたが、この値引き支援によって、実際の私たち消費者の負担額は基本的には大きく増えないように設定されています。

60歳代の「平均貯蓄額」はいくら?消費支出も確認

次に、60歳代世帯における、電気代の消費支出を確認していきましょう。

総務省の家計調査によると、世帯主の年齢が60~69歳世帯の1カ月の消費支出は25万7876円です。そのうち、電気代は、月1万1697円となっています。消費支出全体のうち、電気代が占める割合は約5%となっています。

また、「2022年家計調査貯蓄・負債編二人以上世帯の世帯主の年齢階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高」を見てみると、世帯主が60歳代の家庭における貯蓄額は、2458万円となっています。

電気代の支出額を消費支出全体や60歳代の貯蓄額と比べると、電気代は、家計にとって大きな負担ではないように感じるかもしれません。

しかし、限られた年金収入や、今までの貯蓄を切り崩しながら家計をやりくりする老後の生活では、できることなら少しでもお金は節約したいと思う方が多いでしょう。