年収400万円台世帯の純粋な貯蓄額はいくらになるのか

「年収400万円〜450万円世帯」と「年収450万円〜500万円世帯」の平均貯蓄額はそれぞれ「850万円」「901万円」とお伝えしましたが、これは純粋な貯蓄額ではありません。

純粋な貯蓄額は、貯蓄額から負債額を差し引いた数となり、この金額が「老後資金」や「教育費」などに活用できる貯蓄と言えます。

総務省統計局が発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)」の勤労者世帯の調査データによると、年収400万円台世帯の平均的な負債額は【表2】の結果となりました。

【表2】年収400万円台世帯の平均的な負債額

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)」の調査データをもとに筆者作成

上記の表のとおり、負債の大部分が住宅・土地のための負債、言わば住宅ローンとなっています。

では、負債額から貯蓄額を差し引くと、どのくらいの純貯蓄額になるのでしょうか。

【表3】年収400万円台世帯の平均的な純貯蓄額

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)」の調査データをもとに筆者作成

平均貯蓄額だけをみると、貯蓄額1000万円に近いことから「すごい」と思ってしまいがちですが、負債額を考慮すると意外にも純貯蓄額は300万円に満たない結果になりました。

年収400万円前半世帯で280万円、年収400万円後半世帯で202万円です。

近年「老後2000万円問題」が話題となっているなど、老後資金に関する意識が日本全体で強まっている傾向にあります。

自身の貯蓄額に対して「不安」と感じている方は、今一度貯蓄ペースの見直しを行えると良いかもしれません。

貯蓄ペースの見直しを検討しよう

本記事では、年収400万円世帯の平均貯蓄額について詳しく解説していきました。

「年収400万円〜450万円世帯」と「年収450万円〜500万円世帯」の平均貯蓄額はそれぞれ「850万円」「901万円」となっており、一見「しっかりと貯蓄している」という印象をもった方も多いかもしれません。

しかし、「貯蓄額」から住宅ローン返済といった「負債」を差し引いた「純貯蓄額」をみると、その額は300万円に満たないことが分かります。

年収400万円台の世帯年齢の平均が50代であることを考慮すると、老後を意識した資金も徐々に準備していく必要があります。

住宅ローンや教育費など、なかなか貯蓄に手が回らないという世帯も多いですが、資産運用などを活用して、上手にお金を増やすことを検討してみるのも良いでしょう。

記事を参考に今一度、貯蓄ペースの見直しをしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

太田 彩子