物件選びの新しい選択肢「ソーシャルアパートメント」とは?
ここまでご紹介したデータから分かったことをまとめると、
- 単身世帯が増加している
- コロナ禍でコミュニケーションスタイルが変わり、孤独を感じる人が増えた
- 特に一人暮らしの人が孤独感を感じやすい
- 人と直接会ってつながることの重要性が改めて強く認識されている
が挙げられます
こうした現代特有の生活、今の人々が求める生活に合う新たな居住スタイルとして注目されているのが「ソーシャルアパートメント」です。
一般的にまだなじみのない「ソーシャルアパートメント」とは何なのでしょうか?
「プライベート空間」+「充実した共用ラウンジ」
「ソーシャルアパートメント」は、個々が入居する「プライベート空間」と、誰でも自由に使える「共用ラウンジ」とで構成されます。
一棟マンションをリノベーションして作られることが多い「ソーシャルアパートメント」。
個人が入居する部屋は「通常のワンルームマンション」と同等のものなので、完全なプライベート空間が保証されます。(物件によって個々の部屋には水回りがないケースもあり)
そして同マンション内に入居者が自由に使える「設備の充実したラウンジ」がついているのが大きな特徴です。
ラウンジのコンセプトは物件によってさまざま。
- レストランの厨房のような大きなキッチン
- コンセント完備のワーキングスペースやWeb会議用の個室
- ビリヤード台
- 自転車をカスタムしたり修理したりできる工具使い放題のスペース
- 大型プロジェクターのあるクッションフロア
- ダンススタジオ
など
共用部の充実度や入居者同士のコミュニケーション創出を重視しているのが「ソーシャルアパートメント」であり、通常の賃貸物件に+αの価値を加えた新しい賃貸住宅といえるでしょう。
「シェアハウス」との違い
「ソーシャルアパートメント」の説明を見て「シェアハウスと同じでは?」と思った方も多いのではないでしょうか?
それぞれの違いをまとめてみましょう。
ソーシャルアパートメントは現在50物件約3,000室とまだ物件数が少なく、選択肢の多さではシェアハウスに軍配が上がります。徐々に注目が集まっている新しいスタイルなので、今後さらに物件数が増えてくる可能性があるでしょう。
シェアハウスについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
「ソーシャルアパートメント」のメリット
ソーシャルアパートメントにはさまざまなメリットがあります。
- 豪華なラウンジや充実した設備を自由に利用できる
- 通常のワンルームマンションと同じプライベート空間を確保できる
- 適度な距離間で入居者とコミュニケーションが取れる
- シェアハウスに比べてお風呂、ランドリーなど共用設備の待ち時間が少ない
- 災害時や夜間など、誰かがいる安心感がある
- 入居者以外の人も自由に呼べる
実際にソーシャルアパートメントに入居している方は、ソーシャルアパートメントのどのような点を魅力に感じているのでしょうか?
誰かが近くにいること、コミュニティの中にいられることの「安心感」が最も多い意見でした。
テレワークが当たり前になり自宅時間が増えたコロナ禍において、ソーシャルアパートメントの共用部が役に立ったという意見も多いようです。
「ソーシャルアパートメント」のデメリット
一方、ソーシャルアパートメントにはデメリットもあります。
- 物件数が少ない(現在50物件約3,000室程度)
- 家賃が相場と同等もしくは高くなる傾向にある
- 自分から積極的にコミュニケーションをとる必要がある
- コロナ禍では共用部で多くの人と接触することに不安やストレスも
- ごく一部、マナー、ルールを守らない入居者もいる
実際にソーシャルアパートメントに入居している方たちの意見はどうでしょうか?
人との接触が気になるコロナ禍では、やはり共用ラウンジでの不安やストレスを挙げる人が多く見られましたが、デメリットは「特にない」と回答した人が一定数いる点は、興味深いポイントといえそうです。
どのような人が住んでいるの?
ソーシャルアパートメントの主な入居者は20~30代前半。男女比はおよそ半々となっています。
入居者同士のコミュニケーションの場を作ることを大きな目的とするソーシャルアパートメントでは、入居者がどのくらい交流しているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
イベントの参加頻度は人それぞれ。ソーシャルアパートメントに住んでいてもイベント参加や交流頻度が低い人もいます。
必ず参加したり交流したりしなければいけないものではなく、自分のペースで自由に選択できるところもソーシャルアパートメントの特徴といえるでしょう。
ソーシャルアパートメントを選んだ理由
入居者の皆さんがソーシャルアパートメントを選んだ決め手・理由は何だったのでしょうか?
株式会社グローバルエージェンツ「ソーシャルアパートメントの生活に関する調査」(2022年10月リリース n=300人 単位は%)
設備面を魅力に感じることはもちろん、「人との交流」「交流の幅を広げる」など「人とのつながり」を重視して入居する人が多いようです。
特にコロナ禍では6割を超える人が「人との交流」を求めてソーシャルアパートメントを選んでいることが分かります。
まとめ
まだ一般的にあまりなじみのない「ソーシャルアパートメント」は、シェアハウスとも一般的な賃貸住宅とも違う、新たな賃貸物件の選択肢といえそうです。
またシェアハウスと一般的な賃貸住宅それぞれのいいとこ取りができる方法ともいえるでしょう。
※この記事はLIFULL HOME'S 不動産投資コラムより提供を受けたものです。
参考記事
LIFULL HOME'S 不動産投資編集部