「一つは、急にリストラを言い渡される場合、名刺やノートなどの持ち出しは禁止されるはずです。サラリーマンがリストラされて自分に残るのは、仕事で得た信頼だけです。日頃できることがあるとすれば、一所懸命仕事をして顧客や関係者の信頼を得ることと、名刺アプリでこまめにスキャンして自分のデータとして持っておくことです。名刺ホルダーはいざというときに持ち出せませんからね」

「もう一つは、急に呼び出される際には、何かしらの手段で記録が残るような準備をしておくことが大事ですね。リストラを言われたほうはパニックに陥いる可能性もあるので、すべて覚えていられませんから。上の2つは今振り返っても、やっておいたらよかったと思いますね」

まとめにかえて

A氏は退職後ハローワークに数か月通い、その後、別の仕事に就いています。

ただ、その企業は同じようなリストラを続けたようです。その度に元同僚からA氏に対して、人事部からどのような扱いを受けるのか、どういった条件であれば飲んだほうがいいのか、弁護士を雇う必要があるのかなどの問い合わせの電話が入ったそうです。

最後にA氏がこうつぶやいたのが印象的です。

「元いた会社の商品は2度と買うことはないな」

企業も事業環境の変化などで従業員を維持できなくなることもあるでしょうが、その際に上手にお別れをしないと元従業員というコアのファンも失いかねません。

LIMO編集部