今日6月15日(木)は2023年度の年金額初の支給日です。
厚生年金や国民年金は、2023年度4月分から年金支給額が増額されます。年金支給日を迎えて、どのくらい増額になるのか、早く知りたい方も多いのではないでしょうか。
日本年金機構が公表している厚生年金の受給額は、モデル夫婦で月額22万円となるようです。もちろん、厚生年金額は現役時代の年収や厚生年金保険への加入期間によって異なるため、一人ひとり異なりますが、おおよその目安にはなるでしょう。
しかし、月額22万円といってもその金額が受け取れるわけではありません。いくつか天引きされるものがあり、天引き後の手取り額が実際の受取金額となります。
この記事では、夫婦で22万円の厚生年金を受給するケースで、実際にいくら受け取れるのかをシミュレーションしていきます。
1.【厚生年金の受給額】6月支給分から夫婦で約5000円増額
2023年4月分からの年金額は2022年度よりも増額され、67歳以下の方で2.2%、68歳以上の方で1.9%の引き上げとなります。具体的な支給金額は以下の通りです。
1.1 2023年度の国民年金(満額)と厚生年金と昨年度からの増額
- 国民年金(満額):6万6250円(67歳以下の場合。2022年度より1434円の増額)
- 厚生年金(平均的な収入のある夫婦):22万4482円(2022年度より4889円の増額)
それぞれ1年間では、国民年金は約1万7200円、厚生年金は約5万9000円が増額されることになります。
厚生年金を受給する方は年間約6万円も増額されるため、生活費の一助となるのではないでしょうか。
2. 年金受給額の「支給額」と「手取り額」は違う【年金からの天引き】
解説したように、厚生年金を受給している方の平均受給額は約22万4000円ですが、実はこのままの金額が支給されるわけではありません。この金額から社会保険料や税金などが天引きされ、天引き後の金額が実際に支給される金額となるのです。
厚生年金から天引きされるものとして、以下のような保険料や税金が挙げられます。
2.1 年金から天引きされるもの
- 介護保険料
- 国民健康保険料
- 後期高齢者医療保険料
- 所得税
- 住民税
それぞれ天引きされる条件が決められており、該当する方は年金から天引きされることになります。なお、具体的な金額は6月に送付される「年金振込通知書」に記載されています。
3.【厚生年金】受給額月22万円の夫婦の手取り額を計算
ではここから、夫婦の月額年金が22万円の場合の手取り額をシミュレーションしていきます。
受給する年金の夫婦間の内訳は以下の通りとします。
3.1【シミュレーション条件】夫婦の年金受給額
- 妻:7万円
- 夫:15万円
年金支給額22万円から、国民健康保険料(医療分・支援金分・介護分)、所得税、住民税が差し引かれた金額が手取り金額となります。
年金手取り額=支給額22万円-(国民健康保険料+所得税+住民税)
3.2【国民健康保険料】年額8万6000円
国民健康保険料は市区町村により保険料率が異なり、納める金額が異なります。ここでは、東京都北区で使われている料率を参考にします。
「令和5年度国民健康保険料簡易試算シート」より国民健康保険料は年額8万6000円となります(①)。
なお、国民健康保険の保険料には、基礎(医療分)・後期高齢者支援金等(支援金分)・介護納付金(介護分)が合算されています。