マンションよりも持ち家のほうが良いのか

前章では、条件がほぼ同じだと仮定した場合、「一戸建てに住みたい」と回答した人が半数以上であると解説しました。

この結果をみると、「結局住むなら一戸建てのほうが良いのだろうか」と疑問に感じた人もいるかと思います。

国土交通省の「令和3年度 住宅市場動向調査 報告書」の調査によると、住宅ローンがある世帯の年間返済額は、分譲マンションの取得世帯で最も高い結果となりました。

その一方で、分譲戸建住宅の返済負担率が19.8%だったのに対して、分譲マンションの返済負担率は18.1%となりました。

出所:国土交通省「令和3年度 住宅市場動向調査 報告書」

年間の返済額をみると、一戸建てよりもマンションのほうが返済額が高いようですが、返済負担率としては戸建住宅のほうが大きい結果となっています。

長期的に見ればマンション購入は一戸建てよりもお金がかかる可能性はありますが、マンションでも一戸建てでもいつかは劣化します。

マンションの場合は事前に集めた積立金で修繕・リフォームできますが、一戸建ての場合は所有者が対応する必要が出てきます。

一戸建て・マンションどちらにおいても、購入する際は「購入金額」だけでなく、その後の修繕費や管理費用なども考慮に入れながら検討できるのが理想と言えるでしょう。

マイホーム選びで何を重視するのかを今一度検討してみよう

本記事では、マンションを購入する際に重視する点について、アンケート調査を用いながら解説していきました。

マンション購入時に重視する点では、「生活環境の利便性」と「最寄駅からの距離」がほぼ同率で上位となり、日常生活に直結する利便性を重視して購入を検討している人が多い結果となりました。

しかし、条件がほぼ同じだと仮定した場合、半数以上が「一戸建てに住みたい」と回答していることから、実際のところはマイホームとして「一戸建て」を検討したい人が多いのではないかとうかがえます。

「静かな場所で子どもを伸び伸び育てたい」「仕事・プライベートで利便性のある場所に住みたい」など、各世帯の目的によってマイホーム選びで重視する点は異なってきます。

マイホーム選びにおいて、自身が重視するポイントを明確にしたうえで、マンション・一戸建て選びを比較検討すると良いでしょう。

参考資料

太田 彩子