相次ぐ物価上昇に円安の影響、さらに6月からは大手電力会社による電気代の値上げもあいまって、経済的に苦しい思いを抱える方は多いです。
経済状況が不安定になると、どうしても「うらやましい」と話題になるのが公務員。
退職金や年金の水準が話題に上ることもあります。
一昔前には独自の3階建ての年金があったため、公務員の年金は確かに恵まれていたと言えるでしょう。
しかし今は厚生年金に統一されたため、原則的には民間の会社員と同じ年金となっています。
そんな公務員ですが、株式会社バイアンドホールドが2023年5月30日に公表した調査によると、約5割が資産運用を行っていることが明らかになりました。
くわしく見ていきましょう。
1.「公務員の年金」は厚生年金に統合
現行の年金制度では、1階部分が「国民年金(基礎年金)」、2階部分が「厚生年金」となっています。
しかし、かつての公務員の年金制度は3階建て構造をしていました。
1.1 公務員の年金制度(2015年以前)
- 1階部分(老齢基礎年金):日本に住む20~60歳未満のすべての人が加入する年金
- 2階部分(退職共済年金):会社員の場合は厚生年金
- 3階部分(職域部分):会社員の場合は企業年金
1.2 公務員の年金制度(2015年以降)
2015年(平成27年)10月をもって、共済年金は厚生年金に統合されました。
つまり、今は公務員も会社員と同じ「厚生年金」に加入しているのです。
ただし、3階の職域部分は廃止になりましたが、その代わり「年金払い退職給付」が新設されたのです。
2015年(平成27年)10月以前に共済年金に加入していた公務員は、それまで納めた保険料に応じた年金も受け取れるため、まだまだ優遇された年金を受給している方がいるのも事実です。
2. 公務員の約5割が資産運用を行っている
株式会社バイアンドホールドが2023年5月30日に公表した「公務員の資産運用に関するアンケート調査」によると、公務員の約5割が資産運用を行っていることが明らかになりました。
資産運用を行う理由として多かったのは、「少しでも資産を増やしたい」で60%を占めます。
他にも「退職金と年金だけでは老後が不安」が57%、「資産運用に興味がある」が31%と続きます。
資産運用の内訳としては、「NISA」を利用する方が62%と最多でした。また、2017年から公務員でも加入できるようになった「iDeCo」は46%です。
公務員は原則として副業はできませんが、それでも老後の不安を抱える人が少なくないため、資産運用にてお金を増やす方がいると窺えます。