かつては「不動産は必ず値上がりする」といわれ、ほとんどの人が住宅を購入することに対して不安がない時代もありました。
しかし近年は、少子高齢化・人口減少による空き家の増加や年金問題などの社会問題が山積し、住宅購入に漠然とした不安を感じる方が増えています。
また欠陥住宅問題も、住宅の購入に歯止めをかける要因のひとつとなっています。
国土交通省が2023年5月19日にとりまとめた「令和4年度住宅市場動向調査」によると、中古住宅にした理由として最も多かったのが「予算的にみて中古住宅が手頃だったから」であり、価格面にメリットがあるとうかがえます。
しかし、相場より安いと「欠陥住宅では?」という不安を抱えることも。
そこでこの記事では、主に中古住宅を購入するにあたっての不安点・注意点を紹介すると共に、資産価値の高い優良な中古住宅を取得するためのホームインスペクション(住宅診断)について解説します。
中古住宅購入での不安点3選
近年では少子高齢化が進行して住宅ストック数が世帯数を上回り、空き家が増加する傾向があります。
国土交通省の資料である2019年の「既存住宅流通市場の活性化」を見ると、全住宅流通量(既存住宅流通+新築着工)に占める既存住宅(中古住宅)の流通シェアは、1996年に8.8%だったものが2013年には14.7%に増加しています。(2009年には17.6%)
しかし一方では、住宅を購入するにあたっての注意点や中古住宅ならではの不安点もいくつかあるので注意が必要です。
その代表的なものを3つ紹介します。
中古住宅購入での不安点1. 中古住宅購入のための資金計画
中古住宅に限らず、マイホームを購入するにあたって多くの方が不安になるのが資金計画に関することです。
「購入にかけられる費用はいくらなのか」「物件価格以外にどれくらいの費用を見込んでおけばよいのか」「購入後のローン返済や維持費の捻出が可能なのか」といったことを事前によく検証しておくことが大切です。
また併せて「販売価格が適正かどうか」も気になるものです。
国土交通省の不動産取引価格情報検索サイトなどで、周辺地域で類似する物件が過去にどの程度の価格で取引されたのかを事前に調べておくと良いでしょう。