中古住宅購入での不安点2. 立地や周辺環境

不動産の価値はほぼ立地で決まるといっても過言ではありません。

その街やエリアが魅力的である、交通の便が良くて買い物に便利である、近くに医療施設や学校などがあるといった多くの人が住みたいと思う場所であれば、将来売却することはもちろん賃貸に出して収入を得ることもできます。

この点においては中古住宅は選択肢が多いので、更地を購入して新築住宅を建てるよりも有利といえるでしょう。

しかし、中には利便性の良さに魅かれて駅近や街の中心に建つ中古住宅を購入したものの、騒音や治安の悪さに悩まされることもあります。

少しでも不安がある場合には、昼と夜の異なる時間帯に現地を確認しておくことが大切です。

また地盤が良くて災害が起こる危険性が低いことも、重要な要素といえます。

中古住宅購入での不安点3. 建物の基本性能とメンテナンス状態

建物については、欠陥住宅は問題外で、耐震性、断熱性、遮音性などの基本性能が高いことが重要なポイントといえます。

一方、設備や内装、間取りなど比較的容易にリフォームで変えられるものはそれほど資産価値には影響しません。

またメンテナンス状態が悪いと、購入後に高額な改修工事費用がかかってしまうので注意が必要です。

とくに雨漏りやシロアリ被害の形跡がある物件は避けた方が無難でしょう。

ホームインスペクションとは?

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中古住宅を購入するにあたっては、価格の優位性という面だけで購入を決めてしまう方が少なくありません。

住宅の基本性能や隠れた不具合、購入後に必要となる修繕費用については軽視されがちです。

しかし中古住宅を購入するのであれば、リスクを含めて慎重に購入判断をすることが重要です。

ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が第三者の専門家としての立場から住宅の劣化状況、不具合事象の有無を調べて、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などをアドバイスする業務のことをいいます。(宅建業法上の建物状況調査とは若干調査の内容が異なります)

わかりやすくいうと消費者が主に中古住宅を売買する前に、目視(一部専門的な検査器具を使用することがあります)で住宅のコンディションを調査して、依頼者に報告する業務です。

比較的短時間で可能な範囲の調査を行う「一次診断」のレベルですが、費用も少額(5~10万円程度)なので、調査により万一建物の状態が良くないことを知った消費者は、その情報を参考に購入するかどうかを再検討することができます。

中古住宅の購入で失敗しないため

新築の家を購入するのと比較して、中古物件には「物件価格が安い」「実際に物件の状態や使い勝手を確認してから購入できる」といったメリットがあります。

一方では、築年数が経過しているため近い将来に大掛かりな修繕工事が必要になる、耐震性能などの住宅の基本性能が低いといった不安があるのも事実です。

中古住宅の購入で失敗しないためには、周辺環境や立地条件などを考慮すると共に、専門家の視点で建物を診断してもらえるホームインスペクションをおすすめします。

参考資料

亀田 融