総務省統計局が2023年5月9日に発表した「家計調査(家計収支編)」によると、夫婦共働きの世帯は2203世帯でした。
夫婦で共働きだと、1度は「子どもを夫婦どちらの扶養に入れるか」検討した経験はあるでしょう。
実際に、共働きの場合は子どもをどちらの扶養に入れるべきなのでしょうか。
扶養認定される場合の判断基準について解説します。
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健康保険の扶養は任意で決められない
子どもの健康保険を夫婦どちらの扶養にするべきかは、任意で決められません。
税制上はどちらの扶養にするか任意で選択できるので、注意が必要です。
健康保険の扶養をどちらにするかは、運営している組合が協議して決定します。
では、どのようなルールのもと、扶養認定しているのでしょうか。健康保険の扶養に関するルールについて確認します。
健康保険の扶養認定に関するルールとは?
厚生労働省は、2021年4月30日に「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」を公表しました。
子どもをどちらの健康保険で扶養とするべきか明記されています。
夫婦のどちらも健康保険に加入している場合と、夫婦のどちらかが国民健康保険の場合で比べてみましょう。
夫婦のどちらも健康保険に加入している場合
夫婦のどちらも会社の健康保険に加入している場合は、ます「収入」が判断のポイントになります。
厚生労働省が公表した基準を要約すると、以下の通りです。
- 原則として、年間収入が多い方の扶養とする
- 夫婦の収入差が1割未満であれば、届出により主として生計を維持する方の扶養とする
- 扶養を認めたくない場合は理由を書面で提出する
- 一方の扶養に認定されなかった場合、もう一方の扶養に認定できるか審査する
- 認定できない場合はそれぞれ協議のもと決定する
つまり、夫婦の収入差が1割未満であれば、届出によって扶養にする人を選択できるものの、それ以外のケースにおいて扶養となるのは「収入が多い方」です。
しかし、夫婦のどちらかが「共済組合」の組合員で、扶養手当等が支給されている場合は、組合員の扶養にできます。
では、夫婦の一方が自営業者などで国民健康保険の場合について確認してみましょう。
夫婦の一方が国民健康保険に加入している場合
夫婦のどちらかが国民健康保険に加入している場合も「収入」が判断のポイントです。
年間収入が多い方に扶養認定されます。
ただし、国民健康保険には扶養の概念がありません。
そのため、国民健康保険に加入している側の年間収入が多ければ、子どもが国民健康保険に加入する必要があります。
以上から、健康保険の扶養は収入が多い側となります。
ただ、収入の差が1割に満たない場合は「生計を維持する」側となるので、どちらの扶養にするか選べるかもしれません。