老齢年金は、偶数月の原則15日に振込となるため、次の支給日は2023年6月15日(木)です。2023年度は3年ぶりに年金額が引き上げになることもあり、どのくらい増額になるのか早く知りたい方も多いのではないでしょうか。
また、老齢年金は受給できる金額が人それぞれ異なるため、ほかの方がいくら受給しているのか気になる方もいるでしょう。まだ年金を受給していない方にとっては、老後に年金をいくら受給できるのかが具体的に知りたいところです。
そこでこの記事では、65歳から90歳以上の方の年金受給額を一覧表で紹介するとともに、6月支給分から増額される年金額について解説していきます。
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1.【厚生年金・国民年金別】老齢年金の受給額一覧表「5歳刻み」で確認
老齢年金の平均受給額を、厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にして、年齢別に確認していきましょう。老齢年金には厚生年金と国民年金があるため、それぞれ分けて解説します。
1.1 厚生年金の平均受給額は14万円~16万円
厚生年金の平均受給額の年齢別(5歳区切り)の受給額は以下の通りです。なお、この金額には国民年金も含まれています。
厚生年金の平均受給額は、65歳から70代後半までは14万円台で、80歳代になると15万円を超え、80歳代後半が最も高額となっています。年齢が高くなるほど受給額も高額になる傾向があるようです。
1.2 国民年金の平均受給額は5万1000円~5万8000円
続いて、国民年金の平均受給額も見ていきましょう。
国民年金の平均受給額は年齢による差はあまりなく、5万1000円から5万8000円の間となっています。
65歳から70歳代前半が最も高額で、80歳代後半以降は徐々に少なくなる傾向があります。
2. 年金だけで生活できているのはわずか25%
年齢ごとの年金受給額を確認してきましたが、年金だけで毎月の生活費が支払えているのか疑問に思う方もいるでしょう。
厚生労働省の「2021年 国民生活基礎調査の概況」によると100%年金だけで生活している世帯の割合は、高齢者世帯のわずか24.9%にとどまっています。
多くの世帯は、働いて収入を得たり、老齢年金以外の社会保障や個人年金などからの所得や仕送りなども併せたりして生活しているようです。
また、同調査では、高齢者世帯の生活意識についても調べたところ、以下のような結果となっています。
「大変苦しい」が21.3%、「やや苦しい」が29.1%、「普通」が44.9%、「ややゆとりがある」が4%、大変ゆとりがあるが0.7%でした。
「苦しい」と回答した世帯が50.4%と約半数を占めていることから、年金以外にも老後の生活費を早い段階から準備しておく必要があると考えられます。
3. 2023年6月支給分から年金受給額が引き上げへ
2023年4月分から年金受給額が引き上げになります。67歳以下の方は原則2.2%、68歳以上の方は原則1.9%の引き上げです。
どのくらい変わるのか、2022年度の受給額と比較してみましょう。
国民年金では1434円(68歳以上は1234円)、厚生年金では4889円増額されます。
4. まとめにかえて
年齢ごとの老齢年金受給額は、厚生年金は平均で14万円〜16万円で、高齢になる程受給額も高額になる傾向があります。一方、国民年金は平均5万1000円〜5万8000円で、高齢になる程受給額が少なくなる傾向にあります。
年金だけで老後生活を送っているのは約25%にとどまっており、「生活が苦しい」と感じている世帯は50%を占めています。
2023年の6月支給分からの年金は引き上げとなりますが、今後どのようになるのかはわからないため、できるだけ早めに老後資金の準備を始めておくと良いでしょう。
参考資料
木内 菜穂子