2023年5月12日に公表された総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2022年平均結果」によると、世帯主が65歳以上の2人以上世帯の貯蓄が3年連続で増えていることがわかりました。
さらに、貯蓄高が2500万円以上の世帯が約1/3を占めています。
この記事では65歳以上の夫婦世帯の貯蓄のデータを紹介し、年金生活までに最低限準備したい貯蓄額や生活費以外に必要な資金を解説します。
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1. 65歳以上・二人以上世帯の貯蓄はいくら?
総務省の2022年の家計調査報告(貯蓄・負債編)による、65歳以上で2人以上世帯の貯蓄額の分布は以下のとおりです。
1.1 65歳以上・二人以上世帯の貯蓄額
- 300万円未満:19.6%
- 300万円~2500万円:51.4%
- 2500万円以上:34.2%
中央値:1677万円
平均値:2414万円
貯蓄額の平均は2414万円ですが、より実態に近い中央値は1677万円という結果でした。300万円未満が約20%と、貯蓄の多い世帯と少ない世帯に大きな差があることがわかります。
65歳以上夫婦世帯の貯蓄が3年連続で増えた1つの要因として、コロナ禍による消費の冷え込みが考えられます。
また、2022年からの急激な物価上昇による心理的な不安から、消費を控える傾向が続いたのではないでしょうか。
では、65歳以上の無職・二人以上の世帯に絞った貯蓄とその内訳も確認しましょう。
65歳以上の無職・二人以上の世帯も3年連続で貯蓄が増加しています。
65歳以上・無職夫婦世帯の種類別貯蓄残高の割合は以下のとおりです。
1.2 65歳以上・無職夫婦世帯の種類別貯蓄残高の割合
平均額2359万円
- 預貯金:66.3%
- 生命保険など:16.5%
- 有価証券(株式・投資信託など):17.0%
- 金融機関外:0.2%
上記のうち、有価証券は前年比3.1%増加しており、投資への意識の高まりがうかがえます。
2. 65歳以上・無職世帯(2人以上)の家計収支は?
ここでは、65歳以上の無職2人以上世帯の家計収支を、総務省の2022年の家計調査報告(家計収支編)から確認します。