みなさんは、「富裕層」と聞くとどのようなイメージをされますか。

コロナ禍以前には、外国人観光客による「爆買い」という言葉をよく耳にしましたね。海外の富裕層が日本を訪れ、家電や日用品などをたくさん購入していました。一度の旅行で100万円以上のショッピングを楽しむ方もいたようです。

日本の富裕層も、爆買いの外国人観光客と同じように、豪快にお金を使っているイメージをおもちの方もいるでしょう。しかし、お金持ちともいわれる富裕層は、何にでも見境なくお金を使っているわけではありません。

筆者が金融機関に勤めていた時に出会った富裕層は、「節約ポイントを抑えながら」、「必要なものにはお金を惜しまない」といった共通点をもっていました。

そこで今回は、富裕層の方たちの「節約ポイント」をご紹介していていきます。

お金=資産を大切にしている富裕層のマインドをぜひ参考にしてください。

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1.【富裕層】日本の1億円超の資産家はどれくらい?

「富裕層」の定義は明確ではありませんが、資産保有額1億円超の方を「富裕層」とカテゴライズするのが一般的なようです。

今回は、野村総合研究所が各種データから推計した、純金融資産保有額別の世帯数と資産規模に関する資料を参考に、日本の富裕層について見ていきましょう。

1.1「富裕層」と「超富裕層」はひと握り

野村総合研究所では、世帯が保有する金融資産(預貯金・株式・債券・投資信託・保険など)の合計額からローンなどの負債を差し引いた「純金融資産保有額」をベースに、総世帯を5段階に分類しました。

5つの階層の定義と、各層における世帯数は以下のとおりです。

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯

純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、5億円以上の「超富裕層」を合わせると148万5000世帯。全体のわずか2.74%の世帯が「富裕層・超富裕層」ということがわかりました。

資産1億円以上の世帯の割合は、100世帯のうち、およそ3世帯ということになります。

「意外と多いな」と思われた方もいるかもしれませんね。

そんな富裕層の方ですが、実は冒頭でも触れたように「節約家」の一面をもっている方が多く、普段から、非常にメリハリのあるお金の使い方をしています。

「必要だと思ったところにはトコトンお金を使う」ということでもありますね。

2.【富裕層】日本の1億円超えの資産家の「節約ポイント」4つ

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富裕層の方はどういった場面でお金を節約しているのでしょうか。
お金持ちの「節約ポイント」を4つご紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

2.1「富裕層」節約ポイント①《洋服代》

「お金持ち=高級ブランド品を身に纏う」というイメージをもつ方もいるでしょう。しかし、実際は、「ブランド」よりも「機能性」を重視した洋服を選ぶ方が多い印象があります。

日常生活で着る服については、特にその傾向が強いように思います。

イメージとは裏腹に、富裕層の方は「安くて良いもの」を好む傾向があるように感じました。

2.2「富裕層」節約ポイント②《光熱費》

光熱費についても、富裕層の方はあまり気にしていないような印象があるかもしれません。しかし、ここにも強い節約へのこだわりが垣間見えます。

例えば、電球を省エネ効果があるとされるLEDに変えたり、料金プランを見直したりするなど、コストカットを意識している方が多い印象です。

こういった日々の生活でかかるコストは、1ヶ月単位で見ると大きな差ではないようにみえますが、何年も積み重なると、非常に大きな差になってきます。

長期目線で見た場合にコストが節約できる方法を、日頃から探し、実践しているのですね。

2.3「富裕層」節約ポイント③《手数料》

ATMでお金を下ろす際にかかる手数料や、振込をする際にかかる振込手数料など、無駄な手数料についても非常に意識をしている方が多いです。

先程の光熱費と同じく、1回1回は小さく見えるようでも、積み重なると大きなお金になりますよね。その1回1回を「まあいいか」と流さずに節約できるかがポイントです。

2.4「富裕層」節約ポイント④《コンビニ》

誰もが気軽に利用でき、ある程度のものは何でも揃う、まさに文字通り便利なコンビニ。みなさんも、ついつい買うつもりではなかったものを買ってしまったことはありませんか。

富裕層の方は、あまりコンビニで買物をしません。

同じものであってもスーパーやドラッグストアで買う方が安く変えるケースも多々あります。

コンビニに立ち寄ったとしても、当初の目的以外のものを買うことはあまりありません。

セルフコントロールもきちんと行えているといえるでしょう。

3. 富裕層のマインドを参考に自分の節約ポイントを見つけて実行しよう

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富裕層の方の「節約ポイント」について見てきました。

ご自身の価値観や物事の優先順位に合ったものがあれば、真似してみてもいいかもしれないですね。

大切なのは、自分の中でお金を使うポイントとそうでないポイントをきちんと線引きしておくということです。

手当たり次第に買い物をしたり、日々の生活コストに全く気を配らなかったりしていると、なかなかお金は貯まりません。そして、使いたい時に思い切り使えないことも考えられます。

一度、「お金を使う・お金を使わない」ポイントを洗い出し、線引きをしてみましょう。

自分にできることから少しずつ取り組んでみると、自分なりの節約ポイントが見つかるかもしれませんね。

参考資料

荻野 樹