物価の上昇に加え、6月からは電気代の値上げが実施されるところもあります。
高収入の方や、富裕層と呼ばれる方を羨ましいと思う方も多いのではないでしょうか。
株式会社野村総合研究所は、富裕層を「純金融資産保有額が1億円以上5億円未満」と定義しています。
億単位の資産を保有している世帯は、日本でどれくらいの割合でいるのでしょうか。
また、富裕層の生活やお金に対する価値観に共通項があるのか、気になる人も多いでしょう。
そこで本記事は、富裕層の世帯数や価値観で共通している項目について解説します。
【注目記事】富裕層「資産5000万円以上」のお金持ちは日本に何割?元金融機関社員が解説
1. 富裕層は日本全体で約2.6%
株式会社野村総合研究所は、2023年3月1日に発表した「NRI ニュースリリース」で、富裕層の世帯数や純金融資産保有額をまとめています。
その結果「富裕層」は推計で139万5000世帯となりました。
純金融資産の保有額が5億円以上ある「超富裕層」とあわせると148万5000世帯と推計しています。
以上から、日本の世帯全体の約2.7%が「富裕層」と「超富裕層」だとわかります。
富裕層と超富裕層の合計世帯数は、推計を始めた2005年以降では最多となりました。
さらに、純金融資産保有額の総額は364兆円で、増加し続けています。
100世帯のおよそ2〜3世帯が富裕層という結果になりましたが、生活面や消費行動で共通する価値観はあるのでしょうか。
富裕層から見習うべき価値観として共通している項目を「生活意識」と「消費行動」から見ていきましょう。
2. 富裕層がコロナ禍以降に生活面で意識していること
2020年12月21日に株式会社野村総合研究所が実施した同調査によると、コロナ禍の影響で富裕層の65%が「健康や体力増進に関する意識が強まった」と回答しています。
その他の回答からも、生活面では以下の項目が共通しやすいといえます。
- 適度な運動や健康に気を遣った生活を心がける
- 家族との時間や旅行など自身の体験に対してお金を使う
- 自分に必要な情報や知識を仕入れている
- パフォーマンスや成果を発揮できる環境を整える
では、消費行動はどのような結果になったか、あわせて確認してみましょう。
3. コロナ以降の富裕層における消費行動の傾向で共通していること
消費行動の変化では「インターネットショッピングの利用が増えた」と回答しています。
次いで「高額な商品やサービスの利用を控えるようになった」「フードデリバリーサービスやケータリングの利用が増えた」と回答しています。
消費が増えた富裕層と、消費を抑えた富裕層で二極化していると考えられますが、以下の項目において共通項があるといえるでしょう。
- 時間を捻出したい場合お金を出してでも買う
- 収入の状況に応じて支出する金額を心がけられる
「貴重な時間はお金を出してでも捻出する意識」「収支バランスによって身の振り方が理解できる」「不要だと思う商品やサービスにはお金をかけない意思の強さ」を持ちあわせているといえます。
4. 富裕層に共通する価値観は人生を豊かに過ごすためのヒント
富裕層の実態や、どのような価値観が共通項としてあるかを解説しました。
富裕層は、価値のあるものとして自分が感じたことにはお金を惜しまない一方で、価値を感じないものにお金を出さない意識があるといえます。
状況に応じて自分の身の丈を変えられる柔軟さや、新たな試みを取り入れようとする好奇心を持ちあわせているといえるでしょう。
日々の生活を振り返って、参考になる項目があれば取り入れてみてください。
参考資料
- 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は 149 万世帯、その純金融資産総額は 364 兆円と推計(2023年3月1日)」
- 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は 133 万世帯、純金融資産総額は 333 兆円と推計(2020年12月21日)」
川辺 拓也