年収1,000万円といえば、サラリーマンのあこがれ。ただ、年収1,000万円を手にしても「それほど幸せではない」という声をよく耳にします。なぜなのでしょうか。今回はどのようなことが理由で幸せを感じ取れないのかを見ていきたいと思います。
年収の上昇ペースよりも生活水準の上昇ペースが速い
年収が増える局面を体験した人の多くは、同時に仕事で「頑張っている」という状況があるでしょう。この頑張りゆえの「自分へのご褒美」が意外に厄介なのです。
時計やパソコンといった嗜好品の購入は一度限りかもしれませんが、たとえば車をローンで買い替えたり、より家賃の高い住居に引っ越したりすることを繰り返していくと、日常生活の中での固定費が増えていきます。
都心では家賃が上がるだけではなく、駐車場代も上昇していくのはよくある話です。あまりにも高級なところに引っ越してしまったために、月々必要なマンションの駐車場代を見て「学生時代に住んでいたマンションの家賃と変わらないレベル」とぼやくビジネスパーソンも目にします。
税金や社会保険料の増加を忘れていた
年収が増加したことばかりに気を取られ、意識があまり向いていないのが、遅れてやってくる税金関係の支払いです。
税金の支払いがは年収アップと同時ではありません。そのため年収がアップすると、それ以前よりも見た目には手元に現金が残ります。そこでついつい油断して、友人などに気前よくおごってしまい、あとあとしまった!と焦ることがあります。
そうしたこともあり、年収を調整しやすい経営者や仕事の多いフリーランスの人の中には、年収を大きく変えないように工夫している人もいるようです。
家族など、周りの期待値が高まりすぎている
年収が上がることは誰もがうれしいことですが、そのことによって「この人そんなにもらっているんだ、(これからも)もらえるんだ」といったように、本人よりも周囲の期待値の方が上がってしまうことがあります。
たとえば「嫁プレッシャー」という言葉もありますが、年収アップによってパートナーの生活水準に対する期待値がこれまで以上に高まった結果、子供の教育や娯楽に関する出費が増えてしまうこともあるでしょう。
自分が生活水準を上げることで直面する困難もありますが、家族が原因というということもありえるということです。
ついつい先のことを考えすぎて不安の方が強くなる
年収1,000万円を手にできるビジネスパーソンはそれほど多くはありません。1,000万以上を手にする給与所得者は全体の4%といわれ、ビジネスパーソンの中でも選ばれた層といえるでしょう。
とはいえ、こうした人にありがちなのは「次はどうなるのか」「いつまでこの状態でいられるのか」などと考えざるを得ない状況に置かれるということです。出世をしてその年収を手にしたことによって、逆に不安も出てきます。
部下の評価、さらなる出世に向けた競争相手は誰だろうか、などとついつい考えすぎてしまうのは、そのポジションに置かれたからこそのストレスゆえ、ということもあるでしょう。
年収1,000万円は、それを得る過程での競争と、その結果としての一時的な報酬ということもあるかもしれません。現時点では金銭的に恵まれているといっても、今後も継続して高収入を得るためには、ストレスとの向き合い方なども含めいろいろとコントロールしなければならない要素がありそうです。
まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。年収1,000万円になれば未来永劫安泰だとは言えません。支出や周りの期待値、自分の思考をどのようにコントロールするかも重要なエッセンスとなりそうです。
年収1,000万円を目指すべきか、それとも違う評価軸を自分で見つけるべきか、皆さんならどうでしょうか。
LIMO編集部