30歳で福岡から東京に転勤してきた筆者が、一番驚いたことは「物価の違い」です。
マンションの賃料や飲食店の食事代、生活に関わるすべてのお金が高いため、いままでどんぶり勘定だった収支をきちんと考える必要があるな、と感じた記憶があります。
いまも、地域によって多少の差はあるかもしれませんが、止まらぬ物価上昇が家計を圧迫していることは感じますよね。
定年退職したあとにいまの生活水準を保てるのか、不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
今回はセカンドライフで収入の柱となる厚生年金にフォーカスしていきたいと思います。
【注目記事】厚生年金の見込みが20万円だった男性。手取りの少なさに愕然としたワケ
1. 厚生年金と国民年金の仕組み
日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」から成り立っており、2階建て構造とも呼ばれます。
1階にあたるのが、日本に住む20~60歳未満のすべての方が原則加入する国民年金で、2階部分が、会社員や公務員などが加入する厚生年金です。
厚生年金の受給額は納めた保険料や加入期間で決まるため、将来もらえる厚生年金額は現役時代の状況によって大きく左右されます。
では、いまのシニア世代は実際にいくらの厚生年金を受給しているのでしょうか。次で確認していきましょう。
2. 【年金収入】厚生年金「平均月額&受給額分布」をグラフで見る
2021年度末時点での年金受給額について、厚生労働省年金局の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、確認していきます。
全体平均:14万3965円
- 男性平均:16万3380円
- 女性平均:10万4686円
2.1 厚生年金「男女全体の受給額分布」
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
※厚生年金受給額には、基礎年金(国民年金)の金額を含みます
厚生年金の平均受給額は14万3965円ですが、男女別にみると約6万円の差があります。女性の場合は出産や育児、介護などを機に働き方が変わるケースが多いことが要因の一つとして考えられるでしょう。
3.【年金収入】厚生年金「月額20万円未満」は84.5%
では、厚生年金受給者のうち「老齢年金が20万円未満」の割合がどのくらいかを見てみましょう。
厚生年金受給者は1618万445人、このうち老齢厚生年金(老齢基礎年金を含む)が20万円未満という方は1367万8851人。
割合を算出すると84.5%となり、大多数の方が年金月20万円未満ですね。男女別に「年金月額20万円未満」の割合を見ると、男性が77.5%、女性が98.8%となっています。
このように男女差が出るのは、先述したような要因が考えられますが、そもそも厚生年金はどのように決まるのかを、次でくわしく見ていきます。
4. 【年金収入】老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算方法
厚生年金の計算方法は次のとおりです。
4.1 厚生年金の計算方法
A:2003年3月以前の被保険者期間
- 平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの被保険者期間の月数
B:2003年4月以降の被保険者期間
- 平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の被保険者期間の月数
A+Bが老齢厚生年金の報酬比例部分となります(従前額保障や物価スライド等は考慮しません)。
現役時代の年収や加入期間によって将来もらえる年金額が変わってくることがわかりますね。
5. 年金以外に老後資金を自分で作る
老後の収入の軸となる公的年金ですが、厚生年金の受給者であっても84.5%の方が年金月額20万円未満という結果になりました。
「年金だけじゃ足りない」というシニア世代の声を多く聞きますが、実際、多くの方が退職後も週に数日仕事をしたり、貯蓄を切り崩したりして生活しています。
自分が将来どのくらいの公的年金をもらえるかは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認することができます。一度参考にみてみましょう。
いまの生活費と比べ、老後の足りない部分をいまから作っていくことが必要です。
いまは初心者でも始めやすいというiDeCoやNISAなどが注目を浴びています。金融商品は多岐にわたりますが、自分に合った方法をみつけてしっかり将来に備えられたら良いですね。




