2024年からはじまる予定の「新NISA」。みなさんはどのように投資をしようか考えていますか。
運用益に対して、通常約2割かかる税金が非課税になるNISA制度。特に若い世代では、毎月一定額を積み立てる「つみたてNISA」に注目が集まっています。
お金の診断・相談サービス『オカネコ』を運営する株式会社400Fは、全国の『オカネコ』ユーザー663名に「新NISAの利用意向」を行いました(2023年4月20日公表)。
同調査より、つみたてNISAや新NISAに対する考えを見ながら、シミュレーションも確認していきましょう。
現行のつみたてNISA積立額は「平均月2万3416円」
株式会社400Fの調査によれば、「投資をしている」と回答した人は約64%。そのうち、つみたてNISAを利用している人は約53%でした。
現行つみたてNISAの非課税枠は年間40万円で、月にすると約3万3000円になります。
では、みなさんどれくらい積み立てているのでしょうか。
つみたてNISA「毎月の積立額」
- 3万円超:59.7%
- 3万円以下:9.5%
- 2万円以下:15.8%
- 1万円以下:14.9%
平均2万2416円
平均にすると月2万2416円ですが、詳細をみると「3万円超」が約6割でした。
非課税枠近くまで投資している人も多いことがわかります。
新NISAの積立額予定「月平均4.8万円」世帯年収別にいくらか
新NISAでは「つみたて投資枠」として、非課税投資枠が年120万円になる予定です。
この場合、月の積立額が10万円まで上がるため、どのように運用しようか考える方もいるでしょう。
では同調査より、現在つみたてNISAを利用している人が新NISAで積立しようと考えている金額をみていきましょう。
新NISA「積立予定の月の金額」
- 10万円超:28.5%
- 9万円以下:0.9%
- 8万円以下:1.4%
- 7万円以下:2.3%
- 6万円以下:0.9%
- 5万円以下:19.0%
- 4万円以下:10.4%
- 3万円以下:14.0%
- 2万円以下:10.0%
- 1万円以下:12.7%
平均積立額4万8665円
平均積立額は4万8665円となっており、最も多い順に見ると「10万円超」「5万円以下」「3万円以下」でした。
世帯年収別にも見てみましょう。
厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」によれば日本の所得の中央値は440万円ですが、「400万円以上 600万円未満」で約4.5万円でした。
「800万円以上 1000万円未満」になると約5.8万円と5万円を超え、「1200万円以上」では約7.5万円になりました。
新NISA「月4.5万円・年利3%」20年間の運用をシミュレーション
それでは今回は日本の平均的な世帯年収である「400万円以上 600万円未満」の月の積み立て額の約4.5万円をもとに、「月4.5万円・年利3%・20年間」で運用した場合を試算してみましょう。
上記をみて分かる通り、20年目で1477万3590円(元本1080万円・運用収益397万3590円)になります。1500万円近くまで資産ができました。
NISA制度なら、通常運用収益約397万円に2割かかる税金は非課税になります。
なお、30年間の積み立てでは2622万3160円(元本1620万円・運用収益1002万3160円)となります。
上記はあくまで試算になり、また何%で運用できるかはあとにならなければわかりません。運用なのでリスクもあります。
ただこのようにシミュレーションをおこなうことで、積立投資をイメージしやすくなるでしょう。
新NISAに向けて家庭のマネープランを考えよう
先ほどのシミュレーションでは、年数が経つほど運用収益も増えました。
積立投資には、利息に利息がつく「複利の効果」を期待することができます。
また、早くはじめるほど、長期間かけての資産運用が可能となるでしょう。
運用をはじめる最適なタイミングはご家庭によって異なりますが、新NISAになればいつでもはじめられるからと、先延ばしにしてしまうリスクも考えられます。
今から新NISAについて情報収集をしたり、家庭の貯蓄などを確認したりして、長い目で見たマネープランを考えていくといいでしょう。
参考資料
宮野 茉莉子