おひとりさま女性にとって社会における居心地が時代とともによくなっていると見受けられるでしょう。
このことは、テレビドラマにもよく表れています。
約10年前に放送された『結婚しない』(2012)には、「結婚に幸せを求める」田中千春(菅野美穂)と「単身女性としての幸せを掴んでいる」桐島春子(天海祐希)が登場します。
このドラマでは「結婚しない幸せのかたちもあること」が視聴者への大きなメッセージとなっています。
しかし、登場人物の多くは「結婚することが当たり前」といった価値観を持っている他、千春を通しておひとりさま女性の社会における生きにくさや肩身の狭さ、疎外感なども伝えられています。
『結婚しない』の放送から約10年経ち、『ソロ活女子のススメ』が今春にシリーズ3を迎えました。
第一話(4月5日放送)では、五月女恵(江口のりこ)は誕生日にひとりで東京湾クルーズを楽しんでいます。
このドラマは恵のソロ活だけでなく、彼女のソロ活に対する周囲のあたたかな眼差しも見どころとなっています。
本記事では、現代のおひとりさま女性の満足度や子なし女性の幸福度などを確認した上で、おひとりさまの懐事情についても見ていきましょう。
おひとりさま女性全体の「満足度」は6割以上
ジブラルタ生命保険株式会社は「おひとりさまに関する調査2022」で、全国の20歳〜69歳の未婚男女4700名を対象にした、おひとりさまの満足度についての調査結果を公表しています(2022年12月22日公表)。
おひとりさまの現在の生活への満足度は全体で半数を超えています。
年代別に見ると、特に女性は男性よりも現在の生活への満足度が高いという結果になりました。「非常に満足している」・「どちらかといえば満足している」と回答した人は、女性の全年代で半数を超えています。
一方、「全く満足していない」と答えた女性は40代、50代でやや高いものの、全体的に見ると低いといえるでしょう。
そして、興味深いことに、現在の生活に満足しているおひとりさま女性が多い年代は20代(63.4%)についで60代(60.0%)となっています。
さまざまな要因が考えられますが、40代や50代までは結婚などについて迷いがあっても、60代になると自分らしい生き方を見付けられたという女性も少なくないのかもしれませんね。