働き方の多様性が広がる日本では、働くスタイルや休み方を見直す「働き方改革」が進んでいます。

働き方改革により、有給休暇取得や残業時間の削減など見直しがされるようになりましたが、実際どのくらいの企業が取り組んでいるのでしょうか。

本記事では、「働き方改革」の概要と2023年4月10日にリリースされた実態調査について紹介します。

実際の調査データをもとに、働き方改革の影響や効果についても解説しているので、参考にしてください。

そもそも「働き方改革」とは

働き方改革とは、働く人がそれぞれの事情に応じた多様かつ柔軟な働き方を選択するための改革で、政府を主として取り組みが行われています。

働き方改革によって、「子育て」や「介護」など、働く人それぞれが持つ異なる事情に応じて、在宅勤務や時短勤務といった働き方を多様化させることで、柔軟に働ける環境作りが進んでいます。

政府は、働き方改革を目的に、下記の見直しを行いました。

  • 残業時間の上限規制
  • 勤務間インターバル制度の導入促進
  • 年5日間の年次有給休暇の取得
  • 月60時間超の残業の割増賃金率引上げ
  • 労働時間の客観的な把握
  • フレックスタイム制の拡充
  • 高度プロフェッショナル制度を創設
  • 産業医・産業保健機能の強化

このような働き方改革は2019年4月から施行されており、今年で約4年が経過したことになりますが、現在どのくらい制度が普及しているのでしょうか。

次章で詳しく解説していきます。

約7割の企業が「働き方改革」を全社的に取り組んでいると回答

株式会社学情は、企業・団体の人事担当者を対象に、「働き方改革」に関する調査を実施しました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査期間:2023年3月15日~2023年3月22日
  • 調査対象:企業・団体の人事担当者
  • 有効回答数:385社
  • 調査方法:Web上でのアンケート調査
  • リリース公開日:2023年4月10日

上記調査の結果、約7割の企業が、働き方改革について「全社的に取り組んでいる」と回答しており、働きやすい環境作りを進めていることが分かります。

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出所:株式会社学情「約2割の企業が「働き方改革」により、採用活動への波及効果があると回答。「週休3日制の導入や副業解禁で、応募者が増えた」「居住地自由により全国から応募が入るように」の声/人事担当者アンケート」

同調査で「取り組んでいる」と回答した企業が、具体的に取り組んでいる内容として「時間外労働(残業)の削減」が最多となり、次いで「有給休暇取得の奨励」が多い結果となりました。

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出所:株式会社学情「約2割の企業が「働き方改革」により、採用活動への波及効果があると回答。「週休3日制の導入や副業解禁で、応募者が増えた」「居住地自由により全国から応募が入るように」の声/人事担当者アンケート」

実際に、厚生労働省の調査においても働き方改革が施行されて以降、年次有給休暇取得率の年次推移は増加傾向をたどっています。

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出所:厚生労働省「令和4年就労条件総合調査の概況」

多くの企業が、時間外労働の削減や有給休暇取得の奨励などの働き方改革に取り組んでおり、労働者にとっては仕事とプライベートのメリハリがより付けやすい環境になっているとうかがえます。

また、男性の育休取得支援やテレワークの実施など、男女関係なく「子育てと仕事を両立」できる環境が整ってきているのも調査結果から見受けられます。

「働き方改革の取り組み」で採用活動の差別化は無理?働き方改革の波及効果

株式会社学情の行った「働き方改革による採用活動への波及効果」の調査では、半数以上の企業が「入社後の離職率が下がった」と回答しています。

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出所:株式会社学情「約2割の企業が「働き方改革」により、採用活動への波及効果があると回答。「週休3日制の導入や副業解禁で、応募者が増えた」「居住地自由により全国から応募が入るように」の声/人事担当者アンケート」

働き方改革によって、企業で働く人たちが「働きやすい」と感じるようになったことから、離職率の軽減につながっていると考えられます。

その一方で、働き方改革による「採用活動への波及効果」は、あまり感じていない企業が多いようです。

実際、株式会社学情の同調査では、「働き方改革」の採用活動への波及効果について、約8割の企業が「効果が見られない」と回答しています。

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出所:株式会社学情「約2割の企業が「働き方改革」により、採用活動への波及効果があると回答。「週休3日制の導入や副業解禁で、応募者が増えた」「居住地自由により全国から応募が入るように」の声/人事担当者アンケート」

「効果が見られない」と回答した企業のなかには下記のような意見が挙げられました。

  • 「時間外労働(残業)の削減」や「有給休暇の取得奨励」など各社が実施していることは、あまり差別化につながらない
  • 若い世代を中心に、働きやすい環境であることは必須条件で、仕事内容や研修の充実などが企業選びのポイントになっているように感じる

働き方改革により、今やどの企業も「時間外労働の削減」や「有給休暇の取得」を意識するようになっており、それが当たり前という認識が強まっていることから、差別化につながっていないのが現状です。

実際、厚生労働省の調査したデータによると、計画的付与日数階級別で見た際に「5~6日」の有給休暇取得を計画している企業は、どの規模の企業においても約7割となっており、多くの企業で有給休暇取得の奨励がされていることが分かります。

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出所:厚生労働省「令和4年就労条件総合調査の概況」

同様に、時間外労働の削減においても、多くの企業で下記のような取り組みが行われており、労働時間削減につながっています。

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出所:厚生労働省受託事業「時間外労働削減の好事例集」

  • 従業員間の労働時間の平準化を実施
  • 残業を事前に承認する制度の導入
  • 従業員の能力開発の実施や自己啓発の支援
  • ノー残業デーやノー残業ウィークの設置

など

上記の取り組みが多くの企業で実施されていることから、時間外労働の削減は、採用活動でのアピールポイントにあまりなっていないのかもしれません。

「働き方改革」による採用活動の波及効果を促進するためには、現代の働く人が抱える新たな悩みや課題をより分析して、それを解決するための政策を進める必要があります。

政府においても、より働きやすい環境作りをするために、「子育て」「介護」の視点から、新たな政策を施行し始めており、今後の労働環境の新たな改善に期待と注目が集まっています。

一人ひとりにあった労働環境作りが求められている

本記事では、「働き方改革」の概要と実態調査について紹介していきました。

働き方改革が施行されてから早4年、現在では多くの企業が「働き方の改善」に取り組むようになりました。

働き方改革により離職率が軽減するといった効果は見られている一方で、採用活動の波及効果はまだあまり見られていないのが現状です。

「働きやすい職場」が当たり前になった現代において、他企業との差別化をするためには、「子育て」「介護」などの視点から、一人一人に合った労働環境作りが大切になるのではないでしょうか。

参考資料