2023年3月20日に、総務省が発表した「人口推計-2023年(令和5年)3月報-」によると、2022年10月1日時点の日本の総人口(確定値)は1億2494万7000人。12年連続で減少という結果になりました。
年齢別の現状はどのように推移しているのでしょうか。総務省「我が国の人口について」をもとに見ていきましょう。
公的年金をもらうシニア世代は増加している反面、年金を支える世代は減少しています。いまのはたらく世代が公的年金をもらう頃には、いまのシニア世代と同じくらいの年金をもらうことは難しそうです。
老後生活の軸となる年金が期待できないことになれば、頼れるのは貯蓄。今回は65歳以上のリタイア世帯のお金事情を見ていきたいと思います。
【注目記事】年金を増やしすぎた夫婦を待つ悲劇。手遅れになる前に知っておくべき繰下げ受給の仕組み
1.【老齢年金世代】老後は何歳まで働き続ける?
総務省の資料から、シニア世代の就業率をみていきましょう。
2021年時点での就業率は、60歳代前半で71.5%、60歳代後半は50.3%です。2011年と2021年を比べると10年間で大きく上昇していることがわかります。
いまはシニア世代の就労を後押しする制度が整いつつあり、今後もグラフの就業率は右肩上がりで推移することが考えられそうです。とはいえ、現役時代と異なり、ときには健康面や体力面との相談が必要となるケースもあるでしょう。
次では65歳以降世帯の貯蓄事情を眺めていきます。
2. 【老齢年金世代の平均値】65歳以降世帯「みんなの貯蓄」
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、世帯主が65歳以上の二人以上世帯の貯蓄現在高を確認していきましょう。
65歳以上・二人以上世帯の全体の貯蓄平均は2376万円。
とはいえ、平均値は一部の富裕層が押し上げていることも考えられるため、より実態に近い中央値である1588万円とみるほうが良いかもしれませんね。
3. 【老齢年金世代の平均値】65歳以上・リタイア世帯の「貯蓄額」
では、65歳以上世帯の貯蓄事情を「リタイア世帯」だけに絞って見ていきましょう。
直近5年間では平均額に大きな変化はありませんね。2021年の貯蓄現在高の内訳をみると、7割を銀行などの預貯金である通貨性預貯金と定期性預貯金が占めています。
低金利が続くなか、預貯金だけでお金を殖やせるとは考えにくいため、老後に向けた資産形成には「お金に働いてもらう」ことも検討したほうが良さそうですね。
4. 【老齢年金世代の平均値】65歳以上・リタイア世帯「月の生活費」
次に、総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」をもとに、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支をみていきましょう。
実収入23万6576円に対して支出合計は25万5100円となり、1万8525円が毎月不足するという結果になりました。上記に記載がある21万6519円はあくまで平均額になるため注意が必要です。
世帯収入のメインは社会保障給付、すなわち公的年金が約9割と大きな割合を占めています。つまり、冒頭でお伝えしたとおり、年金を支える世代が減ってしまい、将来的に公的年金が減少した場合は、毎月の不足分がいまよりも多くなるということです。
くわえて、物価の上昇も著しいものがあります。年齢を重ねると健康面の不安も増えるでしょう。やはり老後のために何かしらの対策を早めに始めたほうが良いことがわかります。
5. 【老齢年金の平均値】国民年金・厚生年金「みんなの年金月額」
では、老後収入の柱となる公的年金の受給額事情を確認していきましょう。
5.1 国民年金「みんなの年金月額」
男女全体平均月額:5万6368円
- 男性平均月額:5万9013円
- 女性平均月額:5万4346円
5.2 厚生年金「みんなの年金月額」
男女全体平均月額:14万3965円
- 男性平均月額:16万3380円
- 女性平均月額:10万4686円
自営業やフリーランス、専業主婦(主夫)などが受け取る国民年金の平均月額は男女ともに5万円台と、ほとんど差はありません。
しかし、会社員などが受け取る厚生年金の平均月額は男性16万円台、女性10万円台と約6万円の男女差があります。
厚生年金の場合は現役時代の収入や加入期間が受給額を左右します。女性の場合、結婚や育児、介護などを機に専業主婦やパートになるなどの要因が、男女差に反映されてしまうのでしょう。
いまのうちから「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で自分はどのくらいもらえそうかチェックをしておくと良いですね。
6. お金に働いてもらう工夫を
今回は、65歳以上のリタイア世帯のお金事情を見てきました。
老後に受け取る年金額やひと月に必要となる生活費などは人によって異なります。とはいえ、公的年金だけで暮らしていける世帯は決して多くはないでしょう。
「人生100年時代」と言われるいま、公的年金以外の安心できる収入源を確保することが必要ですね。
投資初心者でもはじめやすいと言われている「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」など、税制優遇制度の活用を検討するのも一案です。
ゆとりある老後に向けて、早めの対策を行っていきましょう。








