日本年金機構によると、「標準的な夫婦※」の年金額は、月額22万4482円です。

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

上記の条件を見ると、「40年間サラリーマンだった夫と専業主婦の妻」を想定した概算であり、共働きや自営業、単身世帯の人には該当しないことがわかります。

近年では共働きの割合が増え、また生涯未婚率も上昇中です。

こうした現状においては、公表されている標準的な夫婦のモデル年金だけで、年金の目安額をつかむのは難しいものです。

そこで今回は、家族構成や働き方のパターンごとに、年金受給額の目安を見ていきます。

【注目記事】60歳代「貯蓄3000万円以上」ある人の割合は?今から老後資金を作るコツ3つ

1. 厚生年金と国民年金は「2階建て」

公的年金には基礎年金(国民年金)と厚生年金があり、それぞれ「障害年金」「遺族年金」「老齢年金」があります。

老後に受給するのは老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金となります。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1.1 国民年金(基礎年金)

1階部分の国民年金には、日本国内に住む20~60歳の全員が原則加入します。保険料は全員一律で、3年分の推移は下記のようになっています。

  • 2021年度:1万6610円
  • 2022年度:1万6590円
  • 2023年度:1万6520円

40年間すべて保険料を支払っていれば「満額」、支払っていない期間があれば、その分が満額から差し引かれるという仕組みです。

ちなみに2023年度の満額は、年額で79万5000円となっています。

1.2 厚生年金

2階部分の厚生年金には、会社員や公務員が国民年金に上乗せして入ります。厚生年金の保険料は報酬比例制であり、受給額はその納めた保険料や加入期間に応じて決まります。

つまり、勤続年数が長く、給与が高いほど、受け取る年金額も高くなるという仕組みです。

厚生年金や国民年金の実際の受給額について、厚生労働省が発表した最新の統計を見ていきましょう。