花王(4452)の株価は、そもそも2022年11月以降概ね5000〜5600円のレンジで推移していて、変動幅10%の中で上下しているため、大きな変動は見られないと言えます。

ただしその中でも原材料の高騰などにより、2022年12月期第3四半期決算で増収にも関わらず減益決算を発表した2022年11月初めには一時的に株価は下落しました。

花王の2022年10月末以降の株価の推移(終値ベース:円)2022年10月28日~2023年4月7日

出所:各種資料をもとに筆者作成

その後も、急落前の高値を明確に上回ることができませんでした。

ただし第3四半期の決算の中で懸念材料の一つとされていた中国のロックダウンが緩和されたことなどは、投資家にとって一定の安心材料となり、2023年2月末ごろから株価は下げ止まりの兆しを見せているのだと思われます。

今回は花王の株価について見ていきましょう。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。

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1. 花王(4452)の株価は2022年12月期第3四半期決算を受けて株安前の水準を超えられず

花王は2022年11月1日に2022年12月期第3四半期決算を迎えました。この決算では売上高では前年同月比+10.5%の増収となったものの、原料高や中国のロックダウンなどの影響を受けて営業利益ベースでは▲29.4%もの大幅減益となりました。

出所:花王株式会社「2022年12月期第3四半期決算短信[IFRS](連結)」

業績見通しには特に変更がありませんでしたが、値上げがコスト高に追いついていない状況に対して投資家の懸念が高まり、翌日11月2日の終値は前日比▲8.7%の大幅下落になったと考えられます。

その後は新しい悪材料がなかったなか、決算でも触れられていた製品の値上げの継続による業績改善効果に対する期待感などからか株価は一時回復が進んだと思われますが、結局第3四半期決算発表前の高値は上回ることができず、再度緩やかに下落しています。