5月に入り、会社を退職してセカンドライフを楽しんでいる方もいるでしょう。

ただ昨今の物価高では、老後の貯蓄や年金に不安を抱える人も少なくありません。

では、会社を退職した65歳以降の世帯はどのような生活を送っているのでしょうか。

本記事では、「65歳以降・無職世帯」の貯蓄や年金額、生活費の実態を解説するので参考にしてみてください。

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1. 「65歳以降・無職世帯」の貯蓄はいくらか

仕事をしていない「65歳以降・無職世帯」はどの程度貯蓄があるのでしょうか。

総務省統計局が公表する「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯) Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」によると65歳以降・無職世帯(二人以上世帯)の平均貯蓄額は以下のとおりです。

1.1 「65歳以降・無職世帯」の貯蓄額の推移

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯) Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」

  • 2016年:2350万円
  • 2017年:2337万円
  • 2018年:2233万円
  • 2019年:2218万円
  • 2020年:2292万円
  • 2021年:2342万円

年によって若干の差はありますが、平均貯蓄額は約2300万円です。老後2000万円問題が話題となりましたが、平均貯蓄額は2000万円を超えています。

ただし、平均貯蓄額は一部のお金持ち世帯の影響を受けやすいです。

2021年の「世帯主が65歳以上の世帯」における貯蓄額の中央値は約1600万円となっており、貯蓄額が2000万円を超える世帯は少数派といえます。