女性が全年代で「平均年収400万円」に届かないワケ

女性が全年代で、日本人の平均年収400万円に届かない理由の一つとして、働く女性の多くが非正規雇用であることが挙げられます。

厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」では2021年の年齢階級ごとの入職者に占めるパートタイム労働者の割合を明らかにしています。

出所:厚生労働省「-令和3年雇用動向調査結果の概況-」

20歳から59歳の男性入職者のうち、パートタイムの割合は20%前後にとどまっています。

25〜39歳の男性、45〜49歳の男性、50〜54歳の男性については、パートタイムで入職した人の割合は20%以下です。

一方、女性は30歳を超えるとパートタイムでの入職者が半数以上を占めるようになります。

キャリア形成真っ只中であるはずの30歳代のパートタイムでの入職率は高く、30〜34歳で46.5%、35〜39歳で63.2%です。

また、40歳代以降についても半数以上がパートタイムでの入職となっています。

近年の日本では30歳代前後で妊娠・出産される方が多く、子育てをきっかけにパートタイムでの就業に切り替える方は少なくありません。

女性はキャリア形成における重要な時期と出産の時期が重なる傾向にあるため、男性のように継続してキャリアアップしていくことが難しくなります。

女性の平均年収が低いその他の理由として、事務職や図書館司書といった女性人気の職は非正規雇用での採用が多かったり、年収が低めに設定されていたりすることも挙げられるでしょう。