年金には、国民年金と厚生年金の2種類があります。国民年金は原則国民全員が加入しますが、厚生年金を受給するには要件を満たすことが必要です。
本記事では、厚生年金を受給するための受給資格や加入期間を解説します。
厚生年金の平均受給額や受給額の分布、月14万円の年金を受給するために必要な年収も紹介するので参考にしてみてください。
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1. 「厚生年金と国民年金」の仕組み。受給資格とは
日本の年金制度は2階建てです。原則すべての人が1階部分の「国民年金」に加入しますが、2階部分の「厚生年金」に加入する人は会社員や公務員等のみになります。
会社員や公務員などは毎月の給与から厚生年金保険料が自動で天引きされます。
そのため、会社員や公務員の経験がある人は基本的に厚生年金加入者となります。
老後に厚生年金を受け取れる人は、「国民年金を受け取れる、厚生年金に加入していた人」です。
そのため、国民年金の受給要件さえ満たしていれば、会社員や公務員経験が1カ月だけの人でも厚生年金を受給できます。
では、国民年金の受給要件とは何なのでしょうか。
国民年金の受給要件は、「保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上あること」です。
保険料納付済期間とは、保険料を納付した期間をさします。
保険料免除期間などとは、経済的な事情で保険料の納付が難しい人が「国民年金保険料免除・納付猶予制度」の手続きをおこない申請が承認された場合に、保険料を納めてない期間も受給資格期間に含められる期間のことです。
会社員や公務員は自動で年金保険料が天引きされているため、10年以上会社員や公務員として働いていた人は国民年金の受給要件を満たし、国民年金と厚生年金の両方を受給できます。
ただし、国民年金や厚生年金の受給額は納めた保険料や保険料納付期間によって異なります。受給資格のある人が、全員同額の年金を受給できるわけではないので注意してください。