ロイヤルホストやてんやなどの外食チェーン店を営むロイヤルホールディングス(8179)。

実は空港の飲食店やホテルなども手掛けていますが、2021年末以降、株価は概して堅調で、基本的に右肩上がりの状況が続いています。

2021年12月30日の株価1898円(終値。以下も特記ない限り終値)で、2023年3月30日が2756円だったので、当該期間で45%上昇しています。

ロイヤルホールディングスの2021年12月末以降の株価の推移(終値ベース:円)2021年12月30日~2023年3月30日1/3

出所:各種資料をもとに筆者作成

ロイヤルホールディングスは新型コロナの影響で客足が遠のく中で、経営の効率化を行って、危機的状況を乗り越えてきました。

そこに2021年後半頃から客足が戻ってきたことで業績が回復し、売上の回復を伴う黒字化だったことが投資家に安心感をもたらし、株価は上昇トレンドになったと思われます。

また、500株以上の投資家に対する株主優待が魅力的であることも、株価の下支えとなっていると考えられます。

今回はロイヤルホールディングスの株価についてみていきましょう。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。

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1. ロイヤルホールディングスの構造改革や不採算店舗の撤退による経営体質の改善とは

ロイヤルホールディングスの2022年度第2四半期の決算説明資料によると、同四半期までの業績はEBITDAベースでは約25.4億円で黒字化を達成しています。

それ以前はコロナ禍におけるまん延防止策などの行動制限を背景に客足が鈍い時期が続き、赤字経営が続いていました。

2021年〜2022年の店舗・ホテル増減数2/3

出所:ロイヤルホールディングス株式会社「2022年12月期 第2四半期決算 説明資料」

その中で、社内の構造改革や不採算店舗の撤退などにより効率化を達成したことが、同期の黒字化の原動力となりました。

2. まん延防止策の解除に伴う客足の回復が安心材料に

EBITDAの黒字化とともに、客足の回復が本格化したことも安心材料になったと考えられます。

ロイヤルホールディングスのような外食産業は、来客が無ければ経営が厳しくなるのは想像に難くありません。2020年以降はコロナ禍のまん延防止策などの実施により、外食産業は厳しい環境が続いていました。

ロイヤルホールディングスも例外ではなく、一時は主力のてんや・ロイヤルホストでも2019年比60%程度まで客足が落ち込み、業績の悪化要因となっていました。

ロイヤルホールディングスは空港ターミナルの飲食店経営を行っていたことなども、業績悪化を加速させる要因の一つになっていたと考えられるでしょう。

こうした状況は、徐々にコロナ禍からの正常化が模索され始めた2021年後半から回復傾向となりました。

特に2022年5月には、2020年3月以来初めて主力のてんやとロイヤルホストがともに2019年同月の客数を上回るなど、行動制限の緩和による客足の回復が鮮明となりました。

単なるコスト削減だけでなく、客足の戻りが業績回復を後押ししたことが、ロイヤルホールディングスに対する投資への安心材料になったと思われます。

3. ロイヤルホールディングスの株主優待目的の投資が株価の安定に寄与か

最後に、ロイヤルホールディングスの株主優待制度の魅力により、個人投資家の売りが出にくい構造となっていることが、株価の下落リスクを抑制する一因となっていると考えられます。

ロイヤルホールディングスの株主優待券は1単元(100株以上)保有していれば受ける権利があり、2023年3月30日現在で年2回優待を受けるチャンスがあります。

優待券の金額は次のとおりです。

3/3

出所:ロイヤルホールディングス「株主優待制度」

3.1 ロイヤルホールディングスの株主優待

  • 100〜500株:年間1000円分(500円分を年2回)
  • 500〜1000株:年間1万円分(5000円分を年2回)
  • 1000株以上:年間2万4000円分(12000円分を年2回)

ロイヤルホールディングスは500株を超えると優待額が大幅にアップするのが特徴といえます。

ロイヤルホストをはじめ全国のロイヤルホールディングスのチェーン店で使えるため、使い勝手が良いのも特徴です。大口で株をもつ個人投資家ほど、長期で保有するインセンティブの大きい株といえるでしょう。

4. 客足の戻りはポジティブな一方、原価高騰に留意が必要か

コロナ禍からの正常化に伴う客足の回復は当面続くと期待されます。ロイヤルホールディングスの発表の通り、不採算店舗の撤退などにより収益性が向上したのであれば、今後も売上については安定推移すると期待されるでしょう。

一方で、足元の懸念材料の一つに原価の高騰があります。食品を調理して販売するロイヤルホストでは、原材料価格の高騰や光熱費の高騰の影響を受けやすいビジネスといえるでしょう。

2022年第4四半期の決算発表においては原材料費および電気・ガス代などの高騰の影響を23億円としており、影響が想定以上だったことが公表されています。

こうした原価の高騰についても今後注意してみていきましょう。

参考資料