帝国データバンク「「値上げの春」 4月は5100品目」によれば、2023年の食品の値上げは累計で1万8544品目とのことです(2023年3月31日公表)。
去年に次ぐ数々の値上げに、家計への圧迫を感じている方も多いのではないでしょうか。
特にひとりで生活するおひとりさまの場合、値上げへの対策も自分でおこなう必要があります。50歳代になると老後も見えてきて、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、これから老後を一人で迎える50歳代「ひとり世帯」の貯蓄のリアルを解説します。
50歳代「ひとり世帯」の貯蓄の平均と中央値は
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、50歳代「ひとり世帯」の貯蓄の中央値は53万円です。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」をもとに筆者作成
平均値は1048万円ですが、実態に近い中央値は53万円となり、中央値は100万円を下回る結果となりました。
平均値1048万円の内訳は預貯金374万円、株式285万円、投資信託116万円などです。
貯蓄3000万円以上の世帯が約10%である一方で、100万円未満の世帯が51.1%と全体の約半数を占めました。
50歳代は年代的には管理職になる方もいる時期ですが、個人差は大きいでしょう。
また、50歳代前半は大卒でも正社員に就くのが難しい「就職氷河期世代」の方もいます。時代的な影響も考えられるでしょう。
50歳代「ひとり世帯」の家計状況。年間手取り収入から何%貯蓄している?
50歳代「ひとり世帯」の家計状況を年収、貯蓄率、消費支出の3点から見てみましょう。
50歳代「ひとり世帯」の年収
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、50〜54歳の平均給与は520万円、55〜59歳は529万円です。
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出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」
他の年齢階層と比較すると、55〜59歳が最も高く、50〜54歳が2番目に高いです。
50歳代は会社組織でベテランとみなされます。管理職になる方もいる時期ですので、他の年齢階層と比べて年収が最も高いと考えられます。
50歳代「ひとり世帯」の年間手取り収入からの貯蓄率
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、50歳代「ひとり世帯」の平均貯蓄率は13%です。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」をもとに筆者作成
上記は金融資産保有世帯に限定した貯蓄率です。金融資産非保有世帯を含めると貯蓄率は下がると予想されます。
金融資産保有世帯に限定しても、約4割の世帯が貯蓄できていないようです。
年収が最も高い年齢階層ですが、貯蓄に回せない世帯が多いとわかります。
50歳代「ひとり世帯」の消費支出
総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」によると、50歳代「ひとり世帯」の消費支出は男性18万2088円、女性17万6193円です。
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出所:総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」
50歳代はすべての年齢階層の中で最も消費支出が高くなっています。
あくまで平均値ですが、男性の場合、月18万2088円を年換算すると218万5056円です。消費支出だけでも年約220万円は必要だとわかります。
50歳代からの老後対策2つ
最後に50歳代からできる老後対策を2つ解説します。
老後対策1.貯蓄を増やすために資産形成を考える
50歳から老後までの期間は十数年ですが、貯蓄を増やすことは可能です。
定期預金や投資信託、個人年金保険など、老後に備えた資産形成を目的とした金融商品を検討することができるでしょう。
また、つみたてNISA(2024年から新NISAのつみたて投資枠)やiDeCoなど長期積立投資を後押しする制度があります。
リスクはありますが、税制優遇を受けて効率的に資産を増やせる可能性もあるので、まずは情報収集してみてはいかがでしょうか。
老後対策2.健康管理に気を付けて長く働くキャリアを考える
老後対策をする上で、健康管理は非常に重要です。健康管理に気を付けることで、生活習慣病や病気の予防につながり、医療費を削減することができます。
また、現代は60歳代で働く方も増えています。60歳代も働くことで貯蓄を増やしたり、公的年金の繰下げ受給を検討したりすることもできるでしょう。
老後を迎える前から適度な運動や健康な食生活などを心掛けましょう。定期的に健康診断を受けて、病気の早期発見や予防に努めることも大切です。
現代はさまざまな働き方がありますから、長く働けるキャリアについて検討してみましょう。
老後に向けた資産形成を
50歳代「ひとり世帯」の貯蓄の中央値は53万円です。50歳代はすべての年齢階層で最も年収が高い年代ですが、現実には貯蓄できていない人が多いようです。
60歳代でも働く方が多いですが、年金生活も視野に入るため、50歳代から老後に向けて資産形成を進めることが重要でしょう。
2024年からは、新NISAが開始される予定です。
iDeCoなど老後の資産形成を促す制度もあるので、このような制度についても調べるといいでしょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」
- 総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」
- 帝国データバンク「「値上げの春」4月は 5100 品目 」
宮野 茉莉子
