日経平均は終値ベースで2万8000円を回復
2023年3月31日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比258円55銭高の2万8041円48銭となりました。終値ベースで2万8000円台を回復するのは、3月10日(2万8143円)以来です。
米国の銀行破綻をきっかけに、欧米で金融システムに対する不安感が高まっていました。このため、金融関連株などを中心に世界の株式市場が軟調気味でしたが、市場が警戒したほどには銀行の連鎖的な破綻は起きず、一部にとどまりました。これを受けて、欧米の株式市場は徐々に戻り基調となり、30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸していました。日本市場も底堅い展開となりました。円相場が一時、1ドル=133円台半ばまで円安・ドル高となったことから、自動車・機械など、輸出関連銘柄も買われました。
今週の動きはどうなるでしょうか。金融システム不安のリスクは若干後退したと見ていいでしょう。31日の米株式市場でダウ平均は3日続伸し、前日比415ドル12セント高の3万3274ドル15セントで終えています。およそ4週間ぶりの高値圏です。
31日に発表された2月の米個人消費支出(PCE)の物価指数は、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比で0.3%上昇しました。伸び率は市場予想を下回り、1月の0.5%からも鈍化しました。インフレが落ち着いた印象にあることから、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続への懸念も和らぎ、幅広い銘柄が買われました。日本株も週初から上昇することが期待されます。
さていよいよ4月、新年度が始まります。3月31日までの日経平均の年度ベースの騰落率は0.8%の上昇でした。小幅ではありますが、2年ぶりの上昇です。アフターコロナでの経済活動の再開が期待されるところです。インバウンド(訪日外国人)需要の回復にともなう関連銘柄も上昇してるようです。航空、鉄道、ホテル、レジャーなどの銘柄が物色されているようです。中国でのゼロコロナ政策も解除されたことから、さらなるインバウンド需要の拡大とともに、現地での製造や販売を行う日系企業にも景気回復の恩恵がありそうです。今後の業績に注目したいところです。