米国の社会保障庁(SSA)によると、アメリカの年金支給額は2023年1月以降8.7%引き上げられています。
これは急騰する物価にたいするインフレ調整を目的としたもので、標準的な夫婦で年間1317ドル(1ドル120円換算で年額15万8040円)の増額が見込まれます。
日本の公的年金も2023年4月分から引き上げられますが、前年度からの増額率は2.2%(※)。標準的な夫婦が受け取る「モデル年金」の場合、年額にして5万8668円の増額にとどまっています。
元々の年金水準や物価などに差があるため一概にはいえませんが、おなじくインフレに悩まされる日本の年金の現状が気になる方も多いでしょう。さっそく見ていきましょう。
※新規裁定者(67歳以下)の場合。既裁定者(68歳以上)は1.9%。
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1. 【年金月収】日本の標準世帯の年金は、ひと月いくらなのか
2023年度の「夫婦2人分の標準的な年金額」は22万4482円となっています。
モデルとなる標準世帯の前提条件は以下のとおりで、これに当てはめると世帯主ひとり分の厚生年金(老齢基礎年金を含む)は月額15万8232円という計算です。
1.1 世帯主
- 平均的な収入(賞与を含む年収を月額換算した金額)が43万9000円で40年間就業した場合の老齢厚生年金+老齢基礎年金の満額
1.2 配偶者
- 老齢基礎年金(国民年金)の満額 6万4816円
現在年金を受給している世代とくらべて男女の就業率の差は小さくなっているため、厚生年金の対象者は増えることが想定されます。
男女を問わず「自分ひとり分の年金でも月15万程度はほしい」と考える人も少なくないでしょう。実際に、月額15万円以上の年金を受け取れている人はどのくらいいるのでしょうか。