「小1の壁」が起こってしまう原因
小1の壁とは、子どもが小学校に上がった際に、子どもが保育園に通っていた時よりも仕事と育児の両立がしにくくなる社会問題のことを指します。
主に共働きをしている家庭で起こる問題であり、子どもが小学校に上がった途端に「保育園に通っていた頃よりも大変」と感じるママは多いようです。
小1の壁が起こる原因は、「登校時間が遅くなった」「宿題や翌日の準備など見ないといけないことが増えた」などさまざまですが、主な原因は「子どもを預けられる時間が短い」ことが挙げられます。
保育園の場合は、閉所時間が19時過ぎのところも多くあり、親はフルタイムでも働ける環境が整っています。
さらに、子どもを保育園に預けられる時間は1日8時間が原則となっていますが、労働条件によっては最大で11時間まで延長することが可能となっています。
フルタイムで働く場合は、労働時間だけでなく通勤時間も考慮すると、8時間以上になってしまうため、「育児も仕事も両立したい」というママにとって、延長保育をありがたいと感じる人も多いでしょう。
その一方で、小学校の場合は1年生の登校時間は8時頃となり、下校時間は14時から15時頃が一般的であり、学校に預けられる時間は6時間前後となるため、保育園の時よりも大幅に短くなります。
学校が終わった後に子どもを預かってくれる施設である、学童保育もありますが、基本的に学童保育の預かり時間は18時頃までとなっているところが多いです。
実際に、厚生労働省が管轄している自治体の放課後児童クラブの約40%は18時30分までに閉所していることが分かります。
上記のうちの約20%は、17時から18時までには閉所してしまうため、保育園の時のようにフルタイムで働ける環境が少なくなっているのが現状です。
また、「希望者が多くて、そもそも学童保育に預けられない」といった問題も、現在の国の課題となっています。
実際に、厚生労働省の調査では、依然として放課後児童クラブを利用できなかった「待機児童」が多いことがわかります。
小学校に上がったからといって、すぐに一人で留守番できるわけではなく、まだまだ心配してしまう年齢です。
そのため、施設を利用できない場合は、子どもが小学校から帰る時間帯には家にいないといけない状況となり、結果として時短勤務や退職を迫られるママが多いとうかがえます。