昇格や昇給で4月から給与が上がる人もいるのではないでしょうか。給与アップは嬉しいですが、税金や社会保険料の負担は重くなることに注意が必要です。
また、税金や社会保険料がかかるのは会社員の給与だけではありません。実は、年金にも社会保険料や税金が発生します。
本記事では、年金から天引きされるものを確認します。また、受給金額ごとの手取り額も紹介するのでぜひ参考にしてみてください
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1. 年金から天引きされるものは何か
年金から天引きされるものは以下のとおりです。
1.1 年金から天引きされる税金と社会保険料
- 所得税(復興特別所得税含む)
- 住民税
- 国民健康保険料(または後期高齢者医療保険料)
- 介護保険料
会社員の給与は、上記以外にも雇用保険料と厚生年金保険料が天引きされます。
そのため、年金受給者は会社員と比べれば天引きされるものが少ないです。
2. 年金「月10万円(年120万円)」の手取り額をシミュレーション
では、実際にどの程度の税金と社会保険料が天引きされるのでしょうか。以下の条件で、受給金額ごとの手取り額をシミュレーションします。
- 東京都練馬区に住む独身の68歳男性
- 収入は年金のみ
- 基礎控除と社会保険料控除以外の控除はなし
年金受給額が月額10万円(年間120万円)の場合に天引きされる税金と社会保険料は以下のとおりです。
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出所:東京都練馬区「国民健康保険料の計算方法(令和4年度)」などをもとに筆者作成
2.1 年金月10万円の税金と社会保険料
- 所得税 0円
- 住民税 0円
- 国民健康保険料 5万5000円
- 介護保険料 2万5000円
- 手取り(年間) 112万5000円
計算式:120万円-5万5000円(国民健康保険料)-2万5000円(介護保険料)
受給額が月額10万円の場合には、基本的に税金は非課税です。一方で、国民健康保険料や介護保険料は合計で年間8万円かかります。
手取り率は約94%です。
3. 年金「月15万円(年180万円)の手取り額をシミュレーション
年金受給額が月額15万円(年間180万円)の場合に天引きされる税金と社会保険料は以下のとおりです。
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出所:東京都練馬区「国民健康保険料の計算方法(令和4年度)」などをもとに筆者作成
3.1 年金月15万円の税金と社会保険料
- 所得税 3000円
計算式:(180万円-110万円(公的年金所得控除)-48万円(基礎控除)-約16万6000円(社会保険料控除))×5.105%(所得税率) - 住民税 1万3000円
計算式:(180万円-110万円(公的年金所得控除)-43万円(基礎控除)-約16万6000円(社会保険料控除))×10%(住民税率)-2500円(調整控除額)+5000円(均等割額) - 国民健康保険料 8万1000円
- 介護保険料 8万5000円
手取り(年間) 161万8000円
計算式:180万円-3000円(所得税)-1万3000円(住民税)-8万1000円(国民健康保険料)-8万5000円(介護保険料)
受給額が月額15万円の場合は税金が発生します。ただし、国民健康保険料や介護保険料と比べると負担額は少額です。
手取り率は約90%で、受給額が月額10万円の場合と比べると税金や社会保険料の負担は増えます。
4. 月20万円(年240万円)の手取り額をシミュレーション
年金受給額が月20万円(年240万円)の場合に天引きされる税金と社会保険料は以下のとおりです。
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出所:東京都練馬区「国民健康保険料の計算方法(令和4年度)」などをもとに筆者作成
4.1 月額20万円の税金と社会保険料
- 所得税 3万1000円
計算式:(240万円-110万円(公的年金所得控除)-48万円(基礎控除)-約22万2000円(社会保険料控除))×5.105%(所得税率) - 住民税 6万7000円
計算式:(180万円-110万円(公的年金所得控除)-43万円(基礎控除)-約22万2000円(社会保険料控除))×10%(住民税率)-2500円(調整控除額)+5000円(均等割額) - 国民健康保険料 13万7000円
- 介護保険料 9万7000円
・手取り(年間) 206万9000円
240万円ー3万1000円(所得税)ー6万7000円(住民税)ー13万7000円(国民健康保険料)ー9万7000円(介護保険料)
※端数処理の関係で計算が一致しない部分があります。
受給額が月額20万円になると、税金や社会保険料の負担はかなり重くなります。税金と社会保険料の合計年間負担額は約32万円です。
手取り率は約86%となっており、年金受給額が増えるごとに手取り率は減っていくことがわかります。
5. 年金は手取りで考えよう
老後の計画を立てる際には、年金受給額を「手取り」で考えることが重要です。
特に、年金の額面受給額が多い世帯ほど税金と社会保険料の負担は重くなります。
額面ではなく手取りを把握して、具体的な老後生活のシミュレーションをしてみてください。
参考資料
苛原 寛
