3. 誤解ポイント2:社会保険料は掛け捨てではない
天引きの額が増えれば手取りが減るため、「損した」と感じてしまうかもしれません。
しかし、そもそも社会保険料は「払いっぱなし」というわけではありません。
例えば厚生年金保険料は、払えば払うほど受け取れる年金額があがります。
2021年度の厚生年金の平均受給額は月額約14.4万円。これだけで足りないと思うなら、たくさんの給料を得てたくさんの保険料を支払うことで、年金を増やすことも可能になります。
また健康保険からの給付にも大きな影響を与えます。
例えば傷病手当金。病気やケガをしたときに会社を休むと、一定の条件を満たす場合に給料の約3分の2が受け取れます。
実際の支給額を算出するときに使うのが「標準報酬月額」なので、給付を受けるのであれば高い方が得だと言えるでしょう。
同じ考え方で、出産手当金や育児休業給付でも標準報酬月額を使うため、いざというときは高い日額を受け取れます。
「少ないほうがいい」とは一概に言えないことが、おわかりいただけると思います。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)