株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年7月28日から8月3日)の株価動向を振り返る。

業種別振り返り-先週に続き、好決算銘柄に買いが入る1週間

今週は、空運業株、鉄鋼株など24業種が上昇。精密機器株のみ変わらず。

2018年3月期第1四半期決算において、営業利益が254億円と日本航空(9201)の同247億円を抜いたANAホールディングス(9202)は年初来高値を更新。また、経常利益が130億円と黒字転換した神戸製鋼所(5406)も値を上げた。

一方、不動産業株、食料品株、ガラス・土石製品株など8業種が下落。

一部証券会社が目標株価を引き下げた三井不動産(8801)は値を下げた。また、2018年3月期第1四半期決算において、営業利益が34億円と市場予想の50億円を下回ったカルビー(2229)も大幅安。

さらに、世界的な電気自動車(EV)の普及に伴い、自動車用プラグや排気系センサーなどの需要先細り懸念が高まっていることを背景に、日本特殊陶業(5334)は年初来安値を更新。

今後のマーケット見通しの注目点

今週も、先週に引き続き好決算銘柄に買いが入る相場展開となった。東京株式市場で4-6月期決算発表がピークアウトする中、外国為替市場において、1ドル=109円台後半の円高・ドル安が嫌気されよう。特に、東京株式市場は山の日からの連休後にお盆休みへと入ることもあり、様子見姿勢の強い相場展開になりそうだ。

出所:SPEEDAおよび東証で取得したデータをもとに筆者作成

岡野 辰太郎