3. 退職金の制度自体がない会社も

ここまで、勤続年数と退職金の金額の関係について眺めてきました。

「自分の勤続年数であれば、退職金で老後は安泰だ」と思われた方も多いかもしれません。ここで、ちょっと注意が必要です。

民間企業にお勤めの場合、「退職時には必ず退職金がもらえる」とは限らないのです。

厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」(2018年)によると、退職給付制度がある企業は80.5%となっています。

企業規模別にみると以下のようになっています。

  • 1,000人以上:92.3%
  • 300~999人:91.8%
  • 100~299人:84.9%
  • 30~99人:77.6%

つまり、企業規模が小さいほど退職給付制度のない割合が高まっている、という傾向をみることができます。

さらに、退職給付制度がある割合は、業種間で差があります。以下をご覧ください。

3.1 退職給付制度がある割合が高い主な業種

  • 複合サービス事業(信用・保険・共済事業を行う協同組合や郵便局など):96.1%
  • 鉱業、採石業、砂利採取業:92.3%
  • 電気・ガス・熱供給・水道業:92.2%

3.2 退職給付制度がある割合が低い業種

  • 宿泊業、飲食サービス業:59.7%
  • 生活関連サービス業、娯楽業:65.3%
  • サービス業(他に分類されないもの):68.6%