2023年も値上げラッシュは続きそうです。2023年1月の消費者物価指数は「食料」が前年同月比+7.3%、「光熱・水道」が前年同月比+14.9%と価格が跳ねあがっています。

年金だけで生活している人にとって、食料や電気・ガスなどの生活必需品の値上がりは深刻な問題です。特に、年金受給額が少ない人は普段の生活が維持できないかもしれないという不安もあるでしょう。

豊かな老後を送るためには、老後を迎える前の対策が必要です。

本記事では、厚生年金予定受給額が月10万円未満の人におすすめの「今からできる老後対策3つ」を紹介するので、参考にしてみてください。

【注目記事】年金を増やしすぎた夫婦を待つ悲劇。手遅れになる前に知っておくべき繰下げ受給の仕組み

1. 厚生年金「月額10万円未満」の割合は?【年金一覧表】で確認

厚生年金受給者における、年金受給額の分布は以下のとおりです。

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出所:厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

1.1 【厚生年金の一覧表】1万円ごとの受給権者数

  • 月5万円未満:38万8575人(2.4%)
  • 月5万円以上10万円未満:336万1204人(20.8%)
  • 月10万円以上15万円未満:497万6556人(30.8%)
  • 月15万円以上20万円未満:495万2516人(30.6%)
  • 月20万円以上25万円未満:223万4558人(13.8%)
  • 月25万円以上30万円未満:25万2220人(1.6%)
  • 月30万円以上:1万4816人(0.1%)

※平均年金月額には基礎年金(国民年金)月額を含む。
※特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、「定額部分のない報酬比例部分のみ」の65歳未満の受給権者が含まれている。

受給額は人によりピンキリです。

厚生年金月10万円未満の割合は23.2%となっています。

受給額が月額10万円未満の人も一定数いる一方で、月額30万円以上の年金を受給する人も存在します。

2. 老後の平均的な「月の生活費」はいくら?

では、老後にかかる生活費はどのくらいなのでしょうか? 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」によると、65歳以上・無職世帯の平均支出は以下のとおりです。

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出所:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支」

2.1 65歳以上の夫婦のみ無職世帯

  • 消費支出 :月22万4436円
  • 非消費支出 :月3万664円

合計支出 :月25万5100円

2.2 65歳以上の単身無職世帯

  • 消費支出 :月13万2476円
  • 非消費支出 :月1万2271円

合計支出 :月14万4747円

単身世帯の合計支出は月に約14万5000円なので、年金受給額が月額10万円未満の人は一般的に年金だけでの生活は難しいでしょう。

3. 「老齢年金が月10万円未満」の人向けの老後対策3つ

年金予定受給額が月額10万円未満の人におすすめの老後対策を3つ紹介します。

3.1 老後対策1.会社員としての収入を上げる

厚生年金受給額は、会社員時代の平均年収によって個人差があります。そのため、現役時代の平均年収を上げることで年金受給額の増額が可能です(上限があります)。

参考までに、厚生労働省「公的年金シミュレーター」をもとに試算した、1970年生まれの会社員が23歳から60歳まで勤務した場合に、65歳から受給する平均年収ごとの年金受給額は以下のとおりとなります。

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出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」をもとに筆者作成

平均年収ごとの目安年金受給額

平均年収・目安年金受給額

  • 300万円 月11万円
  • 400万円 月12万5000円
  • 500万円 月14万5000円
  • 600万円 月16万円
  • 700万円 月17万5000円
  • 800万円 月19万円
  • 900万円 月21万円

現在働いている会社で収入アップが期待できない人は、転職も検討してみるのも一つです。同じような仕事内容でも、会社を変えるだけで年収が上がることもあります。

今は転職サービスも充実しているので利用して見るのもいいでしょう。実際に求人を見たり、エージェントと話したりすることで新たな可能性が見つかるかもしれません。

3.2 老後対策2.繰下げ受給で年金の受給開始を遅らせる

年金は繰下げ受給により受給開始時期を75歳まで遅らせることが可能です。受給開始を遅らせるほど、月の年金受給額は増えます。

受給開始年齢ごとの月額受給額は以下のとおりです。

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出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」をもとに筆者作成

【繰下げ受給】受給開始年齢ごとの受給額(65歳で月10万円の場合)

  • 65歳:月10万円
  • 66歳:月10万8400円
  • 67歳:月11万6800円
  • 68歳:月12万5200円
  • 69歳:月13万3600円
  • 70歳:月14万2000円
  • 71歳:月15万400円
  • 72歳:月15万8800円
  • 73歳:月16万7200円
  • 74歳:月17万5600円
  • 75歳:月18万4000円

75歳まで受給開始を遅らせれば、65歳から受給開始する場合と比べて+ 84%も月額受給額を増やせます。

65歳以降も働いたり、貯金で生活費を賄ったりすることで年金の受給開始を遅らせられないか検討してみるのも一つでしょう。ただ本当に得になるかは個人差があるので慎重に検討しましょう。

3.3 老後対策3.資産運用をおこなう

公的年金だけに頼らず、自分で老後資金を準備することも考えましょう。

2024年からは新NISAがはじまる予定です。新NISAは、最大1800万円(うち成長投資枠1200万円)まで非課税で投資商品を運用可能です。

非課税期間も無期限なる予定なので、リスクについてしっかり学んだり、情報収集を行ったりして、若いうちから新NISAで老後資産の運用を始めてみるのもいいでしょう。

4. 老後に向けた資産形成を

厚生年金は、「年収アップ」や「受給開始時期の変更」で月額受給額の増額が可能です。

年金は生きている限り受給できるため、できるだけ受給額を増やすことを検討しましょう。

また、年金以外の老後資金を自分でつくる場合、早く運用を始めることが重要です。

若いうちから、NISAなどを使って長期投資を検討してみるのもいいでしょう。

参考資料