1985年に男女雇用機会均等法が制定され、はや38年。女性の働き方は大きく変化してきました。
とはいえ、出産や育児、介護などで「仕事」と「家庭」のどちらか一方を選ぶ、もしくは選ばざるを得ないケースもあると考えると、仕事と家庭とのバランスをとっていくことはまだまだ課題も多いようです。
そこで今回は、いまのシニア女性が公的年金をどれくらい受け取っているかを最新の資料で確認していきたいと思います。
【注目記事】【年金】みんな「厚生年金と国民年金」は本当は月いくらもらっているのか
1. 年金のしくみは「国民年金・厚生年金」の2階建て
まずは年金のしくみを確認しましょう。日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の二つの年金制度で構成されており、「2階建て構造」などと呼ばれています。
国民年金(基礎年金)は、日本国内に住むすべての20歳から60歳の人を加入対象としています。
年金保険料は定額制(※1)をとっており、20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付すれば「満額」(※2)が受け取れます。納付期間が足りない場合はその割合を満額から差し引く計算方式をとっています。
一方、厚生年金は国民年金に上乗せする形で報酬比例の年金を支給する制度です。そのため、勤務先にそもそも厚生年金の制度があるのか、どれだけの期間勤務しているか、毎月の報酬月額はいくらか、などが受給額に大きく響くしくみとなっています。
※2023年度の月額
※1:国民年金保険料:1万6590円
※2:国民年金の満額:6万6250円