4. 【老齢年金世代】65歳以上・リタイア夫婦の「貯蓄額」
ここからは、総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-」をもとに、リタイア世帯の貯蓄事情について見ていきましょう。
以下は、65歳以上・二人以上世帯の貯蓄額ごとの分布です。
- 平均値:2376万円
- 中央値:1588万円
- 100万円未満:8.3%
- 100~200万円未満:3.3%
- 200~300万円未満:3.2%
- 300~400万円未満:3.6%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~600万円未満:3.5%
- 600~700万円未満:2.9%
- 700~800万円未満:3.1%
- 800~900万円未満:3.5%
- 900~1000万円未満:2.9%
- 1000~1200万円未満:5.3%
- 1200~1400万円未満:5.0%
- 1400~1600万円未満:4.4%
- 1600~1800万円未満:3.8%
- 1800~2000万円未満:2.9%
- 2000~2500万円未満:8.0%
- 2500~3000万円未満:6.4%
- 3000~4000万円未満:9.2%
- 4000万円以上:17.7%
上記データによると、65歳以上世帯の貯蓄は平均2376万円。貯蓄保有世帯の中央値は1588万円です。
貯蓄額が1000万円を超える世帯は全体の62.7%、2000万円を超える世帯は41.3%。一方で300万円未満の世帯も14.8%存在し、うち8.3%は100万円未満です。
老後に必要となるお金は、家族のライフスタイルや健康状態などによって世帯差があるでしょう。
とはいえ、現役世代の住宅ローンや教育費とは異なり、老後の大型出費はいつ発生するか予測がつきにくいものです。
遠い将来に向けた資産形成は、働き盛りの若い頃からコツコツと進めていけたらよいですね。
5. まとめにかえて
今回は、いわゆる「老齢年金世代」である65歳以上・リタイア夫婦の「年金収入・生活費・貯蓄」に関するデータを見てきました。
老後に必要となるお金は、日常生活費だけではありませんね。「介護費用」や「住宅のバリアフリー改修」など、シニア特有の大型出費を想定した準備が必要となってくるでしょう。
また、趣味やライフワークのための「お楽しみの出費」も、いきいきと老後を過ごすための必要経費といってよいでしょう。
お金事情は世帯ごとに変わりますが、預貯金や資産運用をバランスよく組み合わせながら、将来に向けた夫婦の資産づくりを進めていけたらよいですね。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)-2021年(令和3年)-(Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支)」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-」
鶴田 綾