3. 厚生年金「月15万円(年間180万円)」の社会保険料と税金を試算

では、年金に対してかかる実際の社会保険料や税金はどの程度なのでしょうか。月15万円の年金を受給する人を例に、シミュレーションします。

シミュレーションの前提は以下のとおりです。

  • 東京都練馬区在住の独身68歳男性
  • 収入は月15万円(年間180万円)の年金のみ
  • 基礎控除と社会保険料控除以外の控除は適用されない

シミュレーション結果は以下のとおりとなります。

出所:筆者作成

3.1 所得税 3000円

(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー48万円(基礎控除)ー約16万6000円(社会保険料控除))×5.105%(所得税率)

3.2 住民税 1万3000円

(180万円ー110万円(公的年金所得控除)ー43万円(基礎控除)ー約16万6000円(社会保険料控除))×10%(住民税率)ー2500円(調整控除額)+5000円(均等割額)

3.3 国民健康保険料 8万1000円

3.4 介護保険料 8万5000円

3.5 手取り(年間) 161万8000円

180万円ー3000円(所得税)ー1万3000円(住民税)ー8万1000円(国民健康保険料)ー8万5000円(介護保険料)

月にすると手取りは約13万5000円でした。

国民健康保険料と介護保険料は合計約16万6000円と高額です。一方で、所得税や住民税はそこまで負担は重くありません。

額面年金180万円に対する手取り率は89.9%(161万8000円÷180万円)です。また、基本的に年金受給額が上がるほど社会保険料や税金は高くなります。

特に、所得税は累進課税といって所得が上がるほど税率も高くなるため注意が必要です。