来月の新年度を控え、お子さんが入学や進級となり、受験を意識しはじめる方もいるのではないでしょうか。
「異次元の少子化対策」に対するさまざまな言及がありますが、少子化の理由の一つとして「教育費の高さ」が挙げられています。
今回はソニー生命保険株式会社が大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1000名に対して行った「子どもの教育資金に関する調査」をもとに、現代の子どもの教育費事情について見ていきましょう(2022年3月9日公表)。
親の約6割が「学歴や学力は教育費次第」と回答
ソニー生命保険の調査によると、「子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じる」に対し、「非常にあてはまる」が16.7%、「ややあてはまる」が50.0%となっており、66.7%があてはまると考えていることがわかりました。
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出所:ソニー生命調べ
昨今はさまざまな習い事があり、また都市部では中学受験も過熱しています。
生命保険文化センター「私立中学校に通う割合はどの程度?」によると2022年度の中学生で私立に通う割合は7.7%で、2013年度から基本的に増加しています。
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出所:生命保険文化センター「私立中学校に通う割合はどの程度?」
地域別では東京都で25.5%、高知県で18.1%、京都府で13.6%などとなっています。
以前より学歴社会とはいわれなくなりましたが、中学受験が過熱化していることからもわかるように、お子さんの教育や学歴に力を入れる方は多いでしょう。
教育費の負担「重い」約6割。老後資金より優先の声も
先ほどのソニー生命の調査で「子どもの教育費の負担を重いと感じる」に対しては、「非常にあてはまる」が25.0%、「ややあてはまる」が41.9%となっており、66.9%が「あてはまる」と答えています。
子どもの就学段階別にみると「あてはまる(計)」と回答したのは未就学児の親で56.5%だったものの、小学生の親で58.1%、中高生の親で71.4%、大学生等(予備校生・浪人生・大学生・短期大学生・専門学校生、以下同様)の親で81.3%となっており、大学生等では約8割という高さです。
子育て中の方の多くが教育費の負担を感じており、特に大学などの費用を負担に感じていることがわかります。
一方で同調査では、「老後の備えより子どもの教育費にお金を回したい」に対しては「あてはまる(計)」が62.5%となっており、老後の不安が高まる現代でも子どもの教育を重視したい親の意向がわかりました。
大学費用「国立・私立大学別」に平均いくらかかる?
では、大学費用は具体的にどれくらいかかるのでしょうか。日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」より、まずは入学費用と在学費用を確認します。
大学の入学費用(国公立・私立大学別)
- 国公立大学:67万2000円
- 私立大学文系:81万8000円
- 私立大学理系:88万8000円
※受験費用(受験したすべての学校・学部の受験料や受験のための交通費・宿泊費)や学校納付金、入学しなかった学校への納付金を含む。
大学の在学費用(1年間・国公立・私立大学別)
- 国公立大学:103万5000円
- 私立大学文系:152万円
- 私立大学理系:183万2000円
※授業料のほか、通学費(通学定期代、通学用の自動車の燃料費や維持費など)、その他の学校教育費(教科書・教材費、学用品の購入費、施設設備費など)などを含む。
やはり私立大学、さらに理系の教育費は大きくなることがわかりました。4年間の学費も見てみましょう。
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出所:日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」をもとに筆者作成
大学費用の平均的な総額(入学費用を含む4年間・国公立・私立大学別)
- 国公立大学:481万2000円
- 私立大学文系:689万8000円
- 私立大学理系:821万6000円
子ども1人あたりで上記の金額ですから、2人以上になるとどれくらい負担が大きいかがわかります。
異次元の少子化対策に注目を
日本は平均年収が400万円台で30年間変わっていませんし、最近では社会保険料や物価の高さが目立つようになってきました。
改めて大学4年間の学費をみると、その中で大学などの教育費、また住宅ローンや老後資金といった人生三大支出を捻出する難しさを感じるでしょう。
異次元の少子化対策はさまざまな角度から行うべきと言えそうです。
参考資料
宮野 茉莉子
