3月も半ばとなり、2022年度の終わりが近づいてきました。
物価上昇がおさまらない中、2023年度の年金受給額も公表され、老後のお金について考えるようになった方もいるのではないでしょうか。
2023年度の年金額は、国民年金(老齢基礎年金の満額:1人分)で6万6250円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)で22万4482円です。
上記からも、厚生年金の上乗せがあると手厚いイメージを持ちやすいものです。
しかし、厚生年金を上乗せしても「老齢年金の月額が5万円未満」という方も一定数います。
年金受給額の実情を見ていきましょう。
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1. 老齢厚生年金を受給できる人
公的年金には国民年金と厚生年金があり、1階部分の国民年金には日本に住む20~60歳未満の方が原則全員加入します。
2階部分にある厚生年金には、主に会社員や公務員等の第2号被保険者が「国民年金」に上乗せする形で加入します。
自営業や専業主婦などで、一度も厚生年金の加入期間がない場合、国民年金のみの受給となります。
国民年金の満額は約6万5000円なので、老後を過ごすには少し心もとない金額に思えます。
一方、厚生年金に加入できれば将来「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」が受給できるため、厚生年金には手厚いイメージがあるのです。
次の章でリアルな受給額を見ていきましょう。
※本記事の厚生年金の金額には国民年金の金額を含みます。
2. 厚生年金「月額5万円未満」の割合
厚生労働省は2022年12月、「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を公表しました。
資料からは、2021年度末時点での国民年金や厚生年金の受給額、受給者の数などを知ることができます。
こちらの資料からは、厚生年金の平均額は14万3965円(男性:16万3380円、女性:10万4686円)であることがわかります。
ただし、受給額ごとの人数をまとめると平均からはわからない様子が浮き彫りとなりました。
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
全体の1618万445人から割合を算出すると、厚生年金が月額5万円未満の割合は2.4%となりました。
ただし男性1.22%、女性4.78%と大きな差があります。
女性は全体的に受給額が低い傾向にありますので、5万円未満の割合が増えています。
そもそも厚生年金に加入していないという方もいますので、国民年金の満額が受給できない場合は5万円未満にあてはまり、割合はもっと増えるでしょう。
3. 老齢年金が少ない人の老後対策
厚生年金の受給資格があっても、いざ受給時期になると「月額5万円未満」という可能性もあります。
まずはねんきん定期便やねんきんネット等で目安額を知る習慣をつけておきましょう。
5万円未満でなくとも、年金だけで生活できる方は多くありません。
老後資金が不足する可能性がある場合、有効な老後対策を紹介します。
3.1 健康であるかぎり仕事を継続する
老後資金が不足する可能性がある場合、まずは収入源を確保することが重要です。
国は、働く意欲がある高年齢者が70歳まで就業機会を得られるように取り組んでいます。
こうした環境を活かし、再就職や定年延長などで長く働くことが求められます。
厚生年金にも加入し続けていれば、今後の厚生年金を増やすことも可能です。
ただし、在職老齢年金によって年金がカットされる可能性もあるので、給与収入とのバランスは意識するようにしましょう。
3.2 年金の繰下げ受給を利用する
年金の繰下げ受給を利用すると、年金の支給開始時期を遅らせる代わりに年金額を増やすことができます。
年金の支給開始は原則65歳(※)ですが、支給開始時期を1ヶ月遅らせるごとに年金額を0.7%増額します。
最大75歳まで繰り下げれば、84%の増額が可能です。
※1961年4月1日以前生まれの男性と1966年4月1日以前生まれの女性は、65歳前に特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。
例えば月額5万円であれば、75歳まで繰り下げることで9万2000円になります。
とはいえ、年金を受け取るまでは無収入となるため、何かしらの収入や貯蓄が必要です。
3.3 iDeCo等で老後資金を作る
iDeCo(確定拠出型個人年金)等を活用して老後資金を作ることも重要です。
iDeCoとは政府が推進する私的年金制度で、税制上のメリットが大きくなっています。
- 掛け金は全額が所得控除の対象となる
- 運用益が非課税になる
- 受け取るときは公的年金等控除等の対象となる
厚生年金加入者や国民年金に任意加入していれば、60歳を過ぎてからも加入できます(原則64歳まで)。
現在の税負担も軽減できるため、しっかり老後資金を確保したい方は検討してみてもいいでしょう。
ただし、一定のリスクがある点は事前に知っておく必要があります。
4. 厚生年金を含めた老後のシミュレーション
厚生年金に加入していても、十分な老齢年金を受け取れるとは限りません。
年金だけで暮らせない可能性も考慮し、今から年金をアップできる方法や老後資金を確保する方法を考えておきましょう。
保険や資産運用も視野に入れながら、資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。




