「人生100年時代」

これは、ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットが、その著書「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」で提唱した言葉です。

日本では2016年にメディアなどで取り上げられ始めて以来、広く浸透しましたね。

長生きすることは喜ばしいことですが、同時に、長寿時代の新しい問題も出てきています。物価上昇が著しいいま、将来もらえる年金がどのくらいになるのか、非常に気になるところです。

今回は、いまのシニア世代がもらっている公的年金の受給額事情についてみていきたいと思います。

【注目記事】厚生年金だけで「ひと月平均20万円以上の年金収入」という羨ましい人は男女で何割か

1. 「基礎年金と厚生年金」をおさらい

まず年金制度の基本を整理していきましょう。公的年金制度は、1階部分の「基礎年金(国民年金)」と2階部分の「厚生年金」の2種類から成り立ちます。

1.1 年金制度の基本

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出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

1.2 【1階部分】基礎年金(国民年金)

加入対象は、原則として日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員です。年金保険料は一律(※)となっています。

令和5年(2023年)度の国民年金保険料は「1万6520円(月額)」2/6

出所:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」

1.3 【2階部分】厚生年金

会社員や公務員などのサラリーマンが加入する厚生年金は、基礎年金の上乗せ部分です。

年金保険料は収入に応じて決まります。現役時代の年収や厚生年金の加入期間によって、将来もらえる厚生年金の受給額が変わってくるということです。

次に、基礎年金、厚生年金それぞれの受給額事情について見ていきましょう。

2. 【老齢年金の平均は?】基礎年金だけなら5.6万円

厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、基礎年金(国民年金)と厚生年金の年金月額を見ていきます。

2.1 基礎年金(国民年金)年金月額

【男女計】平均年金月額:5万6368円

【男女計】老齢基礎年金の受給額分布3/6

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

【男性】年金平均月額:5万9013円・【女性】年金平均月額:5万4346円

【男女別】老齢基礎年金の受給額分布4/6

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

国民年金の平均年金月額では男女に大きな差はないことがわかります。では、会社員や公務員が受け取る厚生年金はどうなのか、みていきます。

3. 【老齢年金の平均は?】厚生年金は男女差・個人差が大きい!

サラリーマンだった人が受け取る厚生年金についても見ていきましょう。なお、ここでご紹介する厚生年金の月額には基礎年金の月額が含まれています。

3.1 厚生年金保険(第1号)平均年金月額(※)

※基礎年金(国民年金)の月額を含む

【男女計】平均年金月額:14万3965円

【男女計】厚生年金保険(第1号)受給額分布5/6

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

【男性】平均年金月額:16万3380円・【女性】10万4686円

【男女別】厚生年金保険(第1号)受給額分布6/6

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

厚生年金(基礎年金の月額を含む)年金月額の男女差は、月額で約6万円です。女性は結婚や子育て、介護などを機に時短勤務、専業主婦やパートタイマーなどになるケースが多いですね。

厚生年金の受給額には、現役時代の年金加入期間や年収が反映されます。女性の就業形態が男性に比べ変わりやすいことも、この男女差の要因の一つであることは確かでしょう。

将来もらえる厚生年金は人それぞれです。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用して、将来もらえる年金を把握したうえで、資産形成を始めていくとよいでしょう。

3. 「人生100年時代」の心構えを

「人生100年時代」を生き抜くためには、公的年金以外の収入源を確保することが必要ですね。

低金利の時代、銀行などの預貯金だけでお金は殖えるどころか、物価の上昇で目減りしてしまう可能性があります。老後の収入源を確保する方法はいくつかありますが、スタートしやすい方法の一つが「積立投資」でしょう。

いまは初心者でも始めやすいNISA制度やiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)といった税制優遇制度があります。

自分に合った投資方法を見つけ、資産の中に少しずつ投資を取り入れていくとよいでしょう。

参考資料