日立化成はリチウムイオン電池用負極材で世界シェア40%強を抱えます。電池産業では注目企業です。その日立化成が2018年3月期の第一四半期(Q1)の決算を発表しました。今回は同社の決算を振り返りながら、世界の電池産業動向を考えるきっかけにしたいと思います。
注目の決算はどうだったか
2018年3月期Q1(4-6月期)実績は、対前年同期比+22%増収、同+13%営業増益、同+50%税引前増益、同+55%親会社株主に帰属する当期純利益増益といずれの利益も2桁増益を達成しました。好調な決算だと言えます。
機能材料、先端部品・システムセグメントはいずれも増収増益となりました。半導体、ディスプレー、リチウムイオン電池負極材、蓄電システム等、各部門で売上高が順調に伸び、原価低減、為替差益などの貢献もあり大幅な増益を達成しました。
一方、同社の通期業績予想は期初予想を据え置いています。売上高は対前期比+10%増収、同+9%営業増益、同+10%税引前増益、同+6%親会社株主に帰属する当期純利益増益の予想となっています。Q2以降も半導体、ディスプレー、リチウムイオン電池向け負極材などの売上高は順調に推移すると思われます。
今後はどこに注目すべきか
同社の無機材料に含まれるリチウムイオン電池用負極材の売上収益は環境対応自動車向けの売り上げが増加したことなどの理由を背景に、対前年同期比で+48%増と機能材料セグメントの中でも非常に大きな成長を示しています。
投信1編集部では、世界的な電気自動車への傾斜から、世界シェア40%強の同社リチウムイオン電池用負極材の今後の売上高の推移に注目しています。
LIMO編集部