2. 老齢年金「低年金・無年金」が起こる理由とは

ここからは「低年金・無年金」が起こる背景について触れていきます。

2.1 「低年金・無年金が起こる理由」その1. 受給資格期間が足りない

老後に低年金や無年金の状態となる背景の一つに「受給資格期間の不足」が挙げられます。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

「2階建て構造」の年金制度のうち、1階部分にあたる「国民年金(老齢基礎年金)」は、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が10年以上である場合、65歳になった時点で受給することができます。

「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」の合計が10年に満たない場合は、合算対象期間(※)を加えて10年以上になれば、この場合も受給が可能となります。

年金保険料を納付したつもりでも、受給資格期間が10年に満たない場合は老齢年金を受け取ることができず「無年金」に。仮に受給資格期間を満たしても、それまでに納付した保険料が少なければ「低年金」となるわけです。

2017年7月31日までは、この資格期間は「25年」でしたので、現在は条件が大幅に緩和されているという一面も。とはいえ、事前に自分自身の納付状況を確認しておくと安心です。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用しましょう。

※合算対象期間…「昭和61年(1986年)4月1日以降の期間」「昭和36年(1961年)4月1日から昭和61年3月31日までの期間」「昭和36年(1961年)3月31日以前の期間」それぞれにおいて、指定の条件に当てはまる場合。詳細は日本年金機構のホームページで確認できます。