4. 「ねんきん格差」厚生年金VS国民年金、これほど違う受給額

さて、厚生年金と国民年金とでは、受給額に大きな差があることがお分かりいただけたかと思います。

国民年金の加入者の場合、繰下げ受給で受給額を増やす、付加保険料の納付や「国民年金基金への加入など、年金額を挙げる工夫を検討してみてもよいでしょう。

厚生年金を受け取る場合でも、「平均額」だけを鵜呑みにするのは避けたほうが良さそうですね。実際に受け取る年金額は人それぞれです。

「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」でご自身の年金見込額を把握しましょう。セカンドライフに向けた資産形成を行う上で大切なステップです。

5. まとめにかえて

今回は、厚生労働省の最新資料より、厚生年金・国民年金の受給額事情を眺めながら、2つの年金制度の「差」について着目しました。

老後の年金額は世帯単位で把握する必要がありますが、公的年金だけで暮らしていける世帯は多数派ではないといえそうです。

預貯金をしっかりと確保するほか、健康面やスキルアップに気を配り、長く働き続けるための努力も大切となりそうです。

また、超低金利が続くいま、「資産運用」でお金にも働いてもらう視点を持つ好機であるともいえます。

ときに数千万円が必要ともいわれる老後の暮らし。遠い将来を見据えたお金の準備は、時間をかけてコツコツと進めていく必要があるでしょう。

2022年度から、高校の家庭科で「資産形成」の授業がスタート。2024年にはNISAの制度が大きく変わろうとしています。「資産運用」をぐっと身近に感じる機会が増えた人も多いはず。

春は新しいことを始めるのにぴったりの季節です。老後見据えたお金の準備、まずは情報収集からスタートしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

荻野 樹