阪急梅田駅は終電前には恵比寿駅になる?

東京など関西以外の地域では知られていない阪急電鉄の不思議はまだあります。その一つが、終電前の阪急梅田駅で鳴っている音楽が、東京のJR恵比寿駅で流れている音楽と一緒だということ。

映画「第三の男」のテーマ曲であり、エビスビールのCMに使われてよく知られているメロディーが、阪急梅田駅では終電が近くなると流れます。阪急沿線のサラリーマンは、この音楽を聞きながら、終電に駆け込んだり、飲みすぎた・・・と反省したり。

そんな阪急沿線のサラリーマンが東京に転勤したり、出張時に恵比寿駅であの音楽を聞くと、思い出すのはエビスビールではなく、飲み過ぎた・・・というイヤーな思い出だったりします。同じ音楽でも聞くシチュエーションが異なると印象が全く違なる典型例かもしれません。

まとめ

実は阪急線の定期券を持つ学生・サラリーマン・OLの多くは、今もICカードに印刷された梅田の「田」の字が口にバツとなっているのを毎日のように見ています(今は財布の中のままの方も多いですが)。そのため、阪急沿線の住民にとっては今も昔も梅田の田の字は口にバツなのです。

独特の文化を持つと言われる阪急電鉄と阪急沿線。梅田の田の字にも、阪急電鉄の持つ独自性の一端を垣間見ることができるのではないでしょうか。

石井 僚一