阪急梅田駅の「田」の字は「田」ではない
今や電車などの乗り降りにはICカードを使う場合が多い時代ですが、阪急電鉄のターミナル駅である梅田駅で切符を買うと“アレッ”と思われるかもしれません。関西では有名な話ですが、阪急電鉄の切符では梅田の「田」は口に十ではなく、口にバツ(×)なのです。
これは決してプリントミスではなく、歴史的な理由があるようです。改めて阪急梅田駅の田の謎を解き明かしてみましょう。
口にバツは切符全盛期の名残り
阪急梅田駅は私鉄では西日本一と言われるターミナル駅です。阪急電鉄の主要路線はほとんどが梅田駅を基点としているため、梅田駅の乗降客は膨大な人数になります(阪急電鉄によると2015年の平日の平均乗降人数は約55万人)。
現在は改札でICカードをかざしてピピッと鳴れば改札口を通ることができますが、その昔は駅員さんが切符を一枚一枚確認していました。しかし、大量の切符を確認するのは大変な作業であるうえに、阪急電鉄には独特の問題がありました。それは「田」の付く駅名が梅田以外にも多数存在していたことです。