日経平均は2万8000円に迫る大幅上昇
2023年3月3日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比428円60銭高の2万7927円47銭となりました。2022年12月15日以来、約2カ月半ぶりの高い水準です。前日の米株式市場で米ダウ工業株30種平均をはじめ主要な株価指数が上昇した流れを受けて日本株も買われました。
個別の銘柄では、ファーストリテイリングが2日、ユニクロの2月の国内既存店売上高を発表しました。前年同月比21.3%増と好調だったことから買われ、日経平均を100円あまり押し上げました。東証プライムの売買代金は概算で3兆2500億円と、活況の目安とされる3兆円を超えました。
相変わらず、米国の金融政策動向に振られる展開が続きそうです。3日の米株式市場でダウ平均は3日続伸し、前日比387ドル40セント高の3万3390ドル97セントで終えています。ダウ平均は2日間で729ドル上昇しています。日本株も週初から底堅い展開になることが期待されます。
2日に、「タカ派」とされるアトランタ連銀のボスティック総裁が21~22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げに賛成すると語ったことが伝わりました。市場では、0.5%の利上げへの警戒感もありましたが、これが和らぎ、幅広い銘柄が買われました。
3日には、2月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が発表されました。55.1と市場予想を上回ったものの、投資家の間には金融引き締めを長期化するほどではないとの見方が広がり、むしろ株高となりました。
今週は10日に2月の雇用統計が発表されます。非農業部門就業者数の市場予想は約20万人の増加と見込まれています。経済指標の結果がよくても、それがインフレにつながると予想されると、株が売られることがあるので注意が必要です。
国内では、日銀で9~10日に金融政策決定会合が開かれます。黒田東彦総裁の下では最後の会合となります。現状では、サプライズ的な政策の修正は行われないと見られています。