2. 女性の86.7%は厚生年金「月平均14万円」を受給できない

次は、実際にどのくらいの厚生年金をもらっているのか、その内訳を確認してみましょう。

2.1 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数

出所:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」

男性と女性を合わせた総数は1618万445人です。

そのうち、全体の平均年金月額である約14万円以上の人数は839万3210人(51.9%)です。

男性のみの総人数は1082万8213人で、約14万円以上の年金をもらうのは767万9391人(70.9%)。

女性のみの総人数535万2232人に対し約14万円以上の年金額をもらうのは71万3819人(13.3%)であり、男性と比べると極端に低い割合といえます。

冒頭で、老齢厚生年金(老齢基礎年金含む)の平均受給額は月14万3965円、男性の平均受給額は月16万3380円、女性の平均受給額は月10万4686円とお伝えしました。

男性と女性の平均年金月額には約6万円の差がありますが、これは、年金支給の全体平均となる14万円を境にしたそれぞれの人数割合をみてもご理解いただけるのではないでしょうか。

女性の場合、結婚後は専業主婦もしくはパートで働き扶養に入る方が多くいます。

そうなると、実際にもらう年金が老齢基礎年金のみになってしまう、厚生年金の加入期間が短い、給与が少ないなどの理由で、平均受給額が少なくなってしまうのです。

しかし、最近では働く女性が増えていますし、パートで厚生保険に加入する方も増えています。

今後は、徐々に女性の平均受給額も増えていくのではないでしょうか。