4. 勤続年数別【国家公務員・退職金額】定年退職なら「2000万円超」は余裕か

国家公務員は、定年まで勤め上げることで2000万円を超える退職金が見込めることが分かりました。応募認定でも平均額は2000万円を超えていましたが、自己都合などの早期退職では民間企業同様に受給金額は下がります。

ここからは、勤続年数が退職金に与える影響を先程の資料で確認していきます。まずは、常勤職員の平均勤続年数と勤続年数に応じた退職金は以下の通りです。

4.1 常勤職員全体

出所:内閣官房「退職手当の支給状況(令和3年度)」

平均勤続年数:18年8月

  • 5年未満:70万6000円
  • 5年~9年:131万2000円
  • 10年~14年:319万8000円
  • 15年~19年:612万2000円
  • 20年~24年:1084万1000円
  • 25年~29年:1611万2000円
  • 30年~34年:2050万4000円
  • 35年~40年:2368万7000円
  • 40年以上:2258万円

常勤職員の平均勤続年数は19年弱のため、退職金は600万台が想定されます。

また、20年を超えるまで支給額は1000万円以下となっており、2000万円を超えるのは勤続30年以降のようです。

4.2 うち行政職俸給表(一)適用者

常勤職員のうち、行政職俸給表(一)適用者も同様に確認を行ないます。

出所:内閣官房「退職手当の支給状況(令和3年度)」

平均勤続年数:26年8月

  • 5年未満:39万2000円
  • 5年~9年:144万円
  • 10年~14年:332万2000円
  • 25年~19年:622万5000円
  • 20年~24年:1107万円
  • 25年~29年:1637万9000円
  • 30年~34年:2075万2000円
  • 35年~40年:2192万9000円
  • 40年以上:2161万5000円

平均勤続年数は27年弱と常勤職員よりも長いため、退職金は1600万円台が想定されます。2000万円を超えるタイミングは常勤職員同様に30年を経過した頃になるようです。

勤続年数が短いと退職金は減り、2000万円を超える目安は「勤続30年」と考えるのが良さそうです。

5. まとめにかえて

国家公務員の退職金額と勤続年数についてながめてきました。民間企業同様、定年まで勤め上げると退職金の金額は多くなり、自己都合での早期退職などでは少ないことが確認できました。

国家公務員の場合には30年ほど勤め上げれば、大台の2000万円が見込めるため老後の資金もある程度目処が立つかもしれません。

しかし、公務員の退職金は民間企業と大きな差が出ないように定期的に見直しが行われます。そのため、「安定的」といわれる国家公務員であったとしても退職金が少なくなるリスクには注意が必要でしょう。

もちろん民間でも同じようなリスクに注意が必要です。そのため退職金以外の選択肢も用意しておくのがおすすめです。

リタイヤ直前まで自分がどの程度退職金を受け取れるか知らない人も多いのではないでしょうか。老後を見据えたマネープランには、退職金と年金の見込額を把握しておくことが大切となります。ぜひ確認してみましょう。

参考資料

徳原 龍裕