地元だと入学金が安くなる公立大学

公立大学の学費は基本的に国立大学と同じ程度ですが、入学金に関しては国立大学28万2000円に対し、39万1305円と約11万円の差があります。

国立大学とは異なり、地方自治体が運営母体という特徴があるため、その地域に住んでいる入学生を優遇するためです。

実は地元の受験生が進学した場合、入学金は半額程度安くなります。

例えば、東京都立大学では東京都に住んでいる新入学生の入学金は14万1000円、都外の学生は28万2000円となります。

公立大学でも推薦入試の入学者割合は高い?

大学入学は多様化し、ひと昔前のように学力試験一本ではなくなっています。

年内に進学先が決まることの多い学校推薦や、総合型選抜(AO入試)は私立大学を中心に増えています。

すでに私立大学の入学生の過半数以上が学力試験以外の入学試験を経て入学しています。

実は公立大学でも、二つの入試制度で入学してくる受験生の割合が増加しています。

文部科学省の「令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」によると、令和4年度の公立大学への入学者のうち、総合型選抜(旧AO入試)を経て入学した新入生は全体の3.8%である1294人、学校推薦型選抜での入学者は25.8%の8823人でした。

出所:文部科学省「令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」

出所:文部科学省「令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」

国立大学での推薦型選抜の割合は11.7%ということを踏まえると、公立大学では推薦入試が盛んであることが分かります。

しかし、出願資格や基準は高く、校内推薦を勝ち取ることは容易ではありません。

例えば、東京都立大学では学部学科により要件は異なりますが概ね「高校入学から出願時までの全体の学習成績の状況が4.0以上」を求めています。

また、面接や小論文も行われ、学科によっては共通テストの受験も必須条件です。

学校推薦は確実に合格できるというイメージが強いですが、公立大学の推薦入試は容易ではありません。

一方で、現在の社会情勢では物価高が続き、教育費捻出が難しい状況です。

どうしても行きたい大学や学部がなければ、地元の公立大学に狙いを定めることも教育費を抑えることに繋がるでしょう。